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2017年2月 8日 (水)

東芝~原発ビジネスの末路

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 年末から
1月にかけて、東芝は米国の原発建設事業で7000億円規模の損失を出していることを発表しました。詳細は214日の第3四半期の発表の際に報告予定とのことですが、全貌が判明するのはもう少し時間がかかるでしょう。

東芝は昨年度も最終損益で4,600億円もの赤字を計上しました。2006年に買収し子会社化した原子力専門のWestinghouseWH社)に係る損失です。それ以外にも数年にわたる様々な分野での事業損失や不適切(粉飾)会計などにより、東芝の資産額は危険水位に達し、信用は地に堕ちていたといえるでしょう。

 

さて、今回の米国建設事業における損失は、現在も建設中のVogtle (JA)V.C.Summer (SC)の両原発と言われています。建設事業でコンソーシアムを組んでいたCB&I社が原発事業から撤退するにあたり、実際の建設業務を請け負っていた子会社のS&W社を買い取ったものの、そのS&W社の損失見込み額をこれまで見抜けていなかったとされています。企業買収や投資判断にあたっての大前提であるDue Diligence(詳細評価)の不足あるいは欠如という基本的な企業ガバナンスが欠落していたといえるでしょう。東芝はもともとモノ造りの会社であり、建設やプロジェクトといった分野に知見・経験が不足していたとはいえ、あまりのお粗末さには呆れるばかりです。

 

東芝の今期決算に与える損失要素はこのS&W問題に限りません。これまでの原発絡みのニュース断片を拾い集めるだけで以下の項目が浮かび上がります。

l 米国サウステキサス事業(STP)の継続コスト

l 英国ニュージェネレーション事業の継続コスト

l 米国レビィ原発契約解除に伴う訴訟費用

l 中国での建設事業収支(4基)

l 米国フリーポートLNGの引き取り契約に伴う損失リスク

 

この期に及んでも、東芝は原発事業をまだ続けるつもりでしょうか?「建設」からは撤退、あまりにも楽観的であった事業計画の見直しは検討されているようですが、すでに経済的合理性の失われている原発事業にこだわり続けることは、株主や関連会社を含めた多くの従業員の不幸が再生産されていくだけのように思います。

 

状況は競合他社においても同じようなものです。三菱重工はベトナムで計画されていた案件が白紙撤回され、トルコ計画はカントリーリスク等により暗礁に乗り上げ、米国サンオノフレ社からは納入した蒸気発生器のトラブルに起因して約8,000億円の損害賠償請求を受けています。日立は英国のホライゾン事業の見通しが立たず、パートナーのGE社も原発事業に積極的ではありません。フランスのアレバ社はフランス、フィンランドの建設事業で巨額損失を被りすでに破綻・国有化の道を歩んでいます。4月からの国内燃料事業の統合を皮切りに各グループの再編も目されているようですが、今こそ抜本的な改革、すなわち、原発事業からの撤退と再生可能エネルギーを中心とした産業構造への転換が求められていると思います。

 

各原発建設事業会社の表面的な動向を眺めてきましたが、先日(131日)、ネットTVFFTV)でお話する機会がありましたので詳細はそちらをご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=dCNB3gf0000

また、3か月前にはより網羅的な報告をしています。

https://www.youtube.com/watch?v=_3QIjcYf7AI

 

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