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2014年4月14日 (月)

東北周遊 その1~青森と六ケ所村

車で約1週間の東北周遊の旅に出かけました。主な目的は、(1)青森で開催される反核燃イベントへの参加、(2)下北半島と三陸海岸の旅、そして(3)仙台で学生時代の仲間との再会、です。同行者は学生・会社時代を通じての友人、O君です。

まずは青森です。途中、仙台、平泉、O君の地元である北上などに寄り道をしながら浅虫温泉へ。夕暮れの陸奥湾を眺めながら湯に浸かり、長距離運転の疲れを癒します。海沿いの温泉らしく臭いや癖のないお湯です。

青森市内では毎年、この時期に開催される反核燃料サイクルのイベント(学習会、屋外集会、市内デモ、交流集会)に参加してきました。先日来、六ケ所村の再処理施設等の運転差し止め訴訟原告団への技術面サポートを行っていることから、一度は現地の様子に直接触れてみたかったのです。

16_2  東京ではすでに桜が満開のこの季節、青森の屋外集会とデモでは時折横殴りの雪に見舞われました。この旅行中は寒波と強風に、青森や下北で真冬の厳しさが想像されることも度々でした。その寒空の下での行進の先頭は、都内の脱原発集会・デモでもすっかりお馴染みの「制服向上委員会」のメンバーたちです(写真)。今回、知ったのですが、この制服向上委員会は1992年発足の老舗アイドルユニットなのですね。4人組のチームに分かれて各地の脱原発や護憲の市民イベントに登場する稀有な存在です。

翌日は六ケ所村再処理工場正門前での集会イベントでした。写真のように屈強なガードマンが私たちを見守っています。後ろの建物内では、完成後は、2 x 1020ベクレルもの放射性物質を常時取り扱うことになります。もし事故が起こった場合の被害はフクシマの比ではありませんし、保有プルトニウムだけが増えていくという核エキュリティ上の問題も深刻です。そもそも核燃料サイクル政策そのものが破たんしているのに、竣工だけが自己目的化しています。経産省、電力業界も本音では「やりたくない」核燃サイクルはただちに中止すべきです。31

 日本原燃のPRセンターを覗いてから周囲をめぐります。この地域は、かつて1960年代末に「むつ小川原開発計画」として石化コンビナートや製鉄所を主体とする大規模臨界工業地帯として計画されましたが、2度のオイルショックを経て見事に頓挫しました。核燃サイクル設備計画が持ち上がったのはその後の1980年代です。今でも、周囲は原野に覆われており、突如、石油備蓄タンク群と核燃サイクル設備の建物が視界に出現する違和感。「かくして、放射性廃棄物処理施設(核のゴミ捨て場)だけが残った」この地域に未来はあるのでしょうか?深刻な地域汚染に晒される本格操業前の今だけが、引き返すことの出来る唯一のチャンスだと思います。

六ケ所村を後にして、次は下北半島を北に向かいます。

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