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2012年3月25日 (日)

東京湾に浮かぶ原子炉 – 空母「ジョージ・ワシントン」

120324jw_2皆さんは、全国に散らばる54基の原子力発電所、東海村と六ケ所村の再処理工場、15基の小型研究炉といった核施設に加えて、東京湾に今、3基の原子炉が存在していることをご存じでしょうか?

それは、横須賀軍港に配備されている米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の60KW x 2基と、丁度停泊中の米原潜(出力不明:約30KWか?)1隻です。

今日、小雨模様のなか地域のグループと、米海軍と海上自衛隊が共用する横須賀軍港の見学に行ってきました。目的は、東京湾に浮かぶ核施設を直接見るためです。最初は高台の「按針台公園」から港全景を見下ろします。まず目に付くのは、眼下の埠頭に停泊中の海上自衛隊のイージス艦です。その向こうに今度は複数の米海軍のイージス艦、諸艦船、2隻の海上自衛隊潜水艦、補修施設群、そして巨大なジョージ・ワシントンの姿の一部見ることが出来ます。これだけでも、日米の統合運営の実態がよく見てとれます(昨年訪れた横田基地の場合と同じです)。

続いて、港に降り、港内を45分間で周遊する「横須賀軍港巡りツアー」に乗り込みます。これは、一般観光客用のクルーズであり、私たちも船内での「空母帰れ」のシュプレヒコールはさすがに控えます(^^;)。船内アナウンスによる各艦船の説明は分かり易く、かなり勉強になった次第です。

さて、間近に見る「ジョージ・ワシントン」はさすがに巨大です。全長333m、幅41m、高さ60mとのことで、有翼機56機とヘリ15機を搭載し、併せて約6,000名の艦員と航空要員が乗り込むとのことです。原子炉(PWR60KW2基)は横須賀に帰港すると停止し、燃料冷却用の電源は構内の発電所から外部補給されます。その発電所は岸壁レベルに建てられており、津波には無防備です。また、横須賀地域を走る三浦半島北部活断層の存在は、最近、マスコミでもたびたび採り上げられている通りで、M7クラスの直下型地震の起こる確率は30年以内6 - 11%と言われています。フクシマのような炉心事故の場合、20km圏内には横浜市、30km圏内となると川崎、平塚、房総の木更津といった巨大人口地域を含みます。都心までもたったの45kmです。首都圏は壊滅となります。

停泊中の炉を含むメンテナンスは米軍側によって実施され(廃棄物は定期的に米国に送られているとのことです)、日本側が立ち入ることは出来ません。首都圏の安全に大きく関わる核施設の管理が全く他者に委ねられているのです。

今、大飯の再稼働を巡って議論されている、ストレステスト・・・横須賀港に停泊中のジョージ・ワシントンにも真っ先に適用すべきです。いやなら、即、出て行ってもらいましょう。

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2012年3月14日 (水)

『神々の黄昏』@METライブビューイング

120305 遅れ馳せながら、先日のMETライブビューイング、ワーグナーの「神々の黄昏」の報告です。リングサイクルも進むにつれて、物語の舞台は神話世界から人間世界へと降りてきますが、この最終夜では表題に似合わず、もはや神々は登場せずに、権力の行方が複雑に絡み合う、人間たちの愛憎劇となっています。これまでの三作と同様、休息を含めた5時間半を豪華な舞台と壮麗な音楽に、たっぷりと浸ってきました。

R・ルパージュによる舞台は、4作を通じて、巨大な24枚の板をコンピュータ制御により縦横に駆使するものです。第1作「ラインの黄金」での水中を泳ぎまわるシーンや、第2作「ワルキューレ」の騎行などのスペクタクルな場面では度胆を抜かれましたが、今回のような人間劇では、主に映像投射によるスクリーン背景として使われていました。ラインの岩場シーンでは、水の流れ落ちるさまを美しく投影し、そこを乙女たちが繰り返し滑り降りていました。豪華セットならではの斬新な演出です。

ジークフリートを演じたジェイ・ハンター・モリス(T)は若々しいが、精神的には未熟な主人公役にぴったりでした。前作の「ジークフリート」の時以上にこの役に馴染んでいたようです。大物のワーグナー歌手には決して出せない初々しさに溢れたヘルデンテノールが魅力です。

デボラ・ヴォイト(S)の、ブリュンヒルデは、ワルキューレの一員であった頃からアメリカンテイストな人間味が十二分に出ていました。体型は決してキュートとは言えませんが、表情豊かな表現力は歌唱共々、お見事です。

ワルキューレの一人、ワルトラウテ役に何と、名ワーグナー歌手のヴァルトラウト・マイヤー(MS)が出演していました。つい先日、NHK BSによるバレンボイムとミラノスカラ座の「ワルキューレ」の放映で、彼女のジークリンデに魅了されたばかりでした。今回、出番は僅かとはいえ、ベテランの味わいを感じさせてくれました。流石にMET。新人からベテランまで見事な配役です。

新人といえば、グートルーネ役のウェンディ・ブリン・ハーマー(S)は、「ラインの黄金」でフレイアを演じていました。なかなかの美形で、この重厚な超大作に僅かながらも可憐な味わいを与えてくれていました。

そして、レヴァインの代役としてタクトを振ったファビオ・ルイージは、決して力任せになることなく、美しく、しかも雄弁な音楽を聴かせてくれました。おどろおどろしい展開に似合わない、とても心地良いワーグナーの音楽でした。

こうして、4回にわたったリングサイクルも終わりました。また夏のオフシーズン中にリバイバル上映があるのでしょうか?是非、もう一回通して見てみたいと思っています。

尚、三作品の過去ログは以下です。

ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジーグフリート

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2012年3月11日 (日)

3月11日・・・フクシマ一周年

Dscf0205 今日は全国各地で東日本大震災の一周年記念式典が開催されていました。私は日比谷公園で開催された「311再稼働反対!全国アクション、~祈りと一歩~」の集会に参加してきました。デモの後、国会議事堂を取り囲む「人間の鎖」イベントもあったのですが、その前に帰路につきました。最後まで参加された方々、お疲れさまでした。

今日現在、全国で稼働中の原発は泊3号機(北海道電力)と柏崎刈羽6号機(東京電力)の2基だけとなりました。原発の将来をめぐっての行方が定まらない中5月の初めには実質的な『原発ゼロ社会』が実現しようとしています。そのことに危機感を抱いた政府当局と、産業界を含む原子力ムラは、大飯3&4号機と伊方3号機の再稼働に向けての必至の動きを続けています。その拠り所となるのが、電力不足キャンペーンと、すでに実施された一次ストレステストです。ところが、それも多くの専門家や世論によって、所詮は机上のシミュレーションであり、前提には多くの楽天的仮定や不確かさ、曖昧さが含まれていることが指摘されています。審査を実施した「原子力安全・保安院」や審査中の「原子力安全委員会」さえも、「テスト結果はプラントの絶対的な安全性を保障するものではなく、再稼働可否については政府の判断である」と逃げ出す始末です。

原発立地自治体の各首長も当然のことながら、自らの判断を放棄しています。かくして、誰もが責任を放棄をした再稼働に向けての「政治判断」は野田首相、藤村官房長官、野田経産相、細野原発相の4名に預けられることになりました。

保安院も原子力委員会も技術的な立場からの責任をとることの出来ない重要な再稼働問題を、果たして、少数閣僚による政治判断に転嫁しても良いものでしょうか?

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2012年3月10日 (土)

J1とブログの開幕

本日J1が開幕・・・、ということで、このブログも長いオフシーズンを終えて、本日開幕。といっても、今後の更新頻度は成り行き任せです。

120310 その開幕戦、我らのアントラーズは残念ながらアウェイでベガルタ仙台に1-0で敗北。仙台の選手たちの瞬発力とボールへの寄せのスピードが鹿島の選手たちを大きく上回っていました。点差以上の完敗です。ダイヤモンド型の4-4-2布陣やベテランと若手の融合を含めて、ジョルジーニョ監督による改革はまだ始まったばかりのようです。一喜一憂することなく、長い目で見守ることにしましょう。良かったのは川崎から移籍したジュニーニョの軽快な動きでした。小笠原も健在です。両SB(新井場とアレックス)も度々の駆け上がりを見せていました。今後、他の攻撃陣との連携の深まりが楽しみです。

土曜日はずっと予定が詰まっているので、スタジアム観戦はしばらくお預けです。季節が良くなったら、また、あの臨場感の只中に浸りたいものです。

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