東京湾に浮かぶ原子炉 – 空母「ジョージ・ワシントン」
皆さんは、全国に散らばる54基の原子力発電所、東海村と六ケ所村の再処理工場、15基の小型研究炉といった核施設に加えて、東京湾に今、3基の原子炉が存在していることをご存じでしょうか?
それは、横須賀軍港に配備されている米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の60万KW x 2基と、丁度停泊中の米原潜(出力不明:約30万KWか?)1隻です。
今日、小雨模様のなか地域のグループと、米海軍と海上自衛隊が共用する横須賀軍港の見学に行ってきました。目的は、東京湾に浮かぶ核施設を直接見るためです。最初は高台の「按針台公園」から港全景を見下ろします。まず目に付くのは、眼下の埠頭に停泊中の海上自衛隊のイージス艦です。その向こうに今度は複数の米海軍のイージス艦、諸艦船、2隻の海上自衛隊潜水艦、補修施設群、そして巨大なジョージ・ワシントンの姿の一部見ることが出来ます。これだけでも、日米の統合運営の実態がよく見てとれます(昨年訪れた横田基地の場合と同じです)。
続いて、港に降り、港内を45分間で周遊する「横須賀軍港巡りツアー」に乗り込みます。これは、一般観光客用のクルーズであり、私たちも船内での「空母帰れ」のシュプレヒコールはさすがに控えます(^^;)。船内アナウンスによる各艦船の説明は分かり易く、かなり勉強になった次第です。
さて、間近に見る「ジョージ・ワシントン」はさすがに巨大です。全長333m、幅41m、高さ60mとのことで、有翼機56機とヘリ15機を搭載し、併せて約6,000名の艦員と航空要員が乗り込むとのことです。原子炉(PWR、60万KW2基)は横須賀に帰港すると停止し、燃料冷却用の電源は構内の発電所から外部補給されます。その発電所は岸壁レベルに建てられており、津波には無防備です。また、横須賀地域を走る三浦半島北部活断層の存在は、最近、マスコミでもたびたび採り上げられている通りで、M7クラスの直下型地震の起こる確率は30年以内6 - 11%と言われています。フクシマのような炉心事故の場合、20km圏内には横浜市、30km圏内となると川崎、平塚、房総の木更津といった巨大人口地域を含みます。都心までもたったの45kmです。首都圏は壊滅となります。
停泊中の炉を含むメンテナンスは米軍側によって実施され(廃棄物は定期的に米国に送られているとのことです)、日本側が立ち入ることは出来ません。首都圏の安全に大きく関わる核施設の管理が全く他者に委ねられているのです。
今、大飯の再稼働を巡って議論されている、ストレステスト・・・横須賀港に停泊中のジョージ・ワシントンにも真っ先に適用すべきです。いやなら、即、出て行ってもらいましょう。
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