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2011年10月12日 (水)

R・シュトラウス『サロメ』@新国立劇場

111009 久しぶりのオペラはR・シュトラウスの「サロメ」です(109@新国立劇場)。この作品については過去にも書いています(「サロメ・驚異の音楽劇」、「オスカー・ワイルドの戯曲サロメ」)。これまで、CDDVDなどではすっかりお馴染みの大好きな作品ですが実演を見るは初めてのことでした。

舞台はバイエルン州立歌劇場から移設された奇をてらうことのないオーソドックスな演出ということで安心して音楽劇に集中できました。しかし、細かいところでは、顔を青く塗りたくったブルーマンのような奴隷(?)や銃を抱えた兵士、小賢しい演技をする脇役などのように凝り過ぎて逆効果の場面も見られます。不気味な満月の下で展開する前半が濃紺、退廃を帯びた宴の中で展開する後半がピンクという舞台色は鮮やかで分かり易い対比でした。

タイトルロールのエリカ・ズンネガルド(S)はこの役で定評があるということでしたが、たびたび声がオケの中に埋もれていました。もともと、このサロメというのは至難の役柄です。R・シュトラウスは劇的効果のためにドラマティック・ソプラノをこの役にあてがい、演出上では七つのベールの踊りをこなし、しかも16歳の王女の高貴、自尊心、好奇心、執着心、そして狂気を演じねばならないのです。ズンデガルドは年令の壁はいかんともし難いとしても演技力や身のこなしは観客を十分に満足させるものでした。しかし、ドラマティック・ソプラノと呼ぶにはあきらかに声量が不足していました。一方で当夜の東フィルがあまりにも元気が良すぎたことによりそのことが一層目立ってしまったのかもしれません。

その他の主演者ではS・マックアリスター(T)は道化役としてのヘロデを見事に歌い、演じきっていました。ヨハナーン役のJ・ウェーグナー(Br)は少し不安定だったような気がします。ズンデガルドの出来、オケとのバランスなども含めて初日独特の瑕疵だったのかもしれません。

これで、新国のR・シュトラウスは「ばらの騎士」、「アラベラ」に続き3本目になりますが、前2作の絢爛と洗練、洒落の世界とは全く別の、若きシュトラウスのほとばしるような音楽の力に圧倒されます。これからも舞台や映像で何度も体験を重ねたい作品です。

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コメント

お久しゅうございます。
最近ブログを立ち上げまして、書いたり書かなかったりで、中々上手くいきません。

9日のサロメ、僕も観ましたがまあ、難しいでしょうねあの役は。サロメ然り、エレクトラ然り、元帥夫人然りとリヒャルト・シュトラウスも本当にソプラノ泣かせのオペラを立て続けに書いてくれたものです。一説によればシュトラウスは猛妻で有名なソプラノ歌手の奥様を物差しにして書いていたとか。

3連休を使ったオペラツアー?についても近々アップ致しますので、宜しければお越しくださいませ。それと此処だけの話、3晩オペラ+リサイタルは正直辛かったです。本当に寝れない演目なんですから。crying

投稿: ジャンボ | 2011年10月14日 (金) 09時24分

ジャンボさん、
東京へのオペラ出張、お疲れ様でした。
今回の上演は精密さの上で今一つでしたが、それでも作品の持つ音楽の力に圧倒されました。これだからR・シュトラウスの作品はやめられませんね。

投稿: YASU47 | 2011年10月15日 (土) 09時43分

こんにちは。新国のシーズンが始まって、トロヴァトーレ、サロメとほぼ連日のスケジュールに間際に気がついてびっくり。どちらも訳の分からない演出などということはなく、自然体で楽しめました。メモ程度ですが、記録しましたので、TBします。

>作品の持つ音楽の力に圧倒されました
本当にそうでした。これがあるから繰り返し上演され続けているのでしょう。

投稿: edc | 2011年10月20日 (木) 09時06分

edcさん、
コメント&TBを有り難うございました。edcさんはこの作品の舞台や映像体験がとても多いのですね。音楽の力のあまりの強烈さ故に、サロメ像がオスカー・ワイルドの思惑さえも超えて一人歩きを始めてしまったのではと思っています。

投稿: YASU47 | 2011年10月20日 (木) 22時57分

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