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2011年5月19日 (木)

『カプリッチョ』@METライブビューイング

110518capriccio_2 前回に続いてまたもMETライブビューイングの記事になってしまいましたがご勘弁下さい。今回はR・シュトラウスの最後の一幕のオペラ作品『カプリッチョ』です。

しかし、これほどまでにメリハリのないオペラ作品というのも珍しいでしょう。それも一幕通しで141分間にわたって「感動させるのは言葉(詩)か音楽か?」という、ある意味どうでもよい会話劇が延々と続くのです。もっとも、そこはR・シュトラウス、途中で嫌気のさした登場人物(舞台演出家役)にたしなめさせたり、バレエや道化風のソプラノ・テノール二重唱を効果的に挟みこんだりして、全体を緊張感の欠如による破綻から救っています。

最初のインタビューで主役のルネ・フレミングが「R・シュトラウスが非ドイツ的、かつ全く社会性のないこの作品を創ったのはナチに対する抵抗だった」と述べていました。ちなみに、この作品が初演されたのはミュンヘンの劇場で1942年、作曲家たちが国家への貢献を求められていた時代でした。シュトラウスはこのノー天気な作品を発表することで彼なりの主張を行ったのでしょうか?

作品は地味でもそこはやはりR・シュトラウス作品です。最大の聴きどころは最後の女主人公マドレーヌによる独白シーンでしょう。官能的な管弦楽の響きと競い合うルネ・フレミングの特徴ある少しポップな歌唱はまさに彼女の真骨頂ともいえる場面です。手元には2004年、パリ・オペラ座の映像(R・カーセン演出)があります。年を重ねた7年後の舞台の方が溌剌と見えるから不思議です。前にインタビューで「今後はシュトラウスをレパートリーの中心にしたい」と言っていたフレミングはこれからもマルシャリン、アラベラ、マドレーヌの第一人者として舞台に立ち続けるのでしょうか?

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コメント

はじめまして。 いま衛星劇場の先週の録画でMETをみおわり、こちらをみつけました。 椿姫にマノンに最後がこれで、一度に3つ。歌舞伎みたいで同じフレミングでも今はドレスが違うのですね。
ライブビューイングは、一度も見に行ったことはないのですが、今年は今年で新しいのをやってるんですね。
写真のモスク素敵ですね~たぶん行ったのにどこか思い出せないです(笑)

投稿: まめ | 2011年8月26日 (金) 02時55分

まめさん、はじめまして。
今シーズンのライブビューイングが10月から始まるので楽しみにしています。フレミングはヘンデルの「ロデリンダ」に出演予定とのことですが、どんな作品なのだろう?
モスクの写真はサマルカンドで撮ったものです。ウズベキスタンで長らく仕事をしていました。

投稿: YASU47 | 2011年8月26日 (金) 09時45分

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