米軍横田基地の今
八千代市9条の会のメンバーたちと米軍横田基地の見学に行ってきました。地元で基地撤去を求めている市民運動グループの案内で基地をぐるりと一周しましたが、フェンス越しに眺める広大な基地内はほとんどひそまりかえっていて、むしろ得体の知れぬ不気味さを感じました。聞くところによると2002年までの騒音訴訟と空母艦載機訓練の洋上への移転により、今では一日約10機が離着陸している程度とのことです。騒音被害が一応収まったことにより、今は表向きの平和が保たれているようです。
横田基地は地元で見慣れた習志野自衛隊基地とは、同じ市街地域にありながらも雰囲気はずいぶんと異なります。4000人以上の米軍、軍族とその家族が滞在するだけに、ゲート前の通りには横文字看板の商店やレストランが並んでいます。アメリカの空気、それも米軍という暴力的な存在の匂いを強く感じます。また、広大な敷地を占有していることを目のあたりにすると、日本が未だ実質的には非占領国の立場から脱していないことを強く感じます。これが沖縄に行ったらさぞかし凄まじいことだろうと想像出来ます。
さて、今、私たちが特に懸念していることは、近日中に府中より航空自衛隊航空総隊司令部がこの横田に移転し、米空軍との統合運営が開始されようとしていることです。在日米軍司令部と繋がった地上3階、地下2階の自衛隊司令部の建物も完成に近づいています。安保条約を拡大解釈し、憲法第9条をなし崩し的に形骸化させてきた在日米軍の海外活動とそれに組み込まれる形での自衛隊の軍事力増強が一つの完成形として統合されようとしています。表向きの静けさとは裏腹に進行している事態は極めて危険なものといえるでしょう。地元の福生市長も、事前協議もないまま横田に自衛隊基地が「新設」されることに「これ以上の基地機能の強化は容認できない」と防衛省に抗議を申し入れています(本年1月7日)。
私たちの力は小さく、出来ることも限られていますが、これからも地元では習志野基地のパトリオットミサイル問題と新弾薬庫問題に関わりを続けると同時に、全ての在日米軍基地の撤去を求め続けていきたいと思います。
鉄条網の向こうは占領地
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