« 2010年度リーグ戦の終了 | トップページ | 2010年の備忘録 »

2010年12月11日 (土)

『ドン・パスクワーレ』@METライブビューイング

101211 「ネトレプコ、太ったなぁ・・・」というのが最初の印象です。ちょっと重めだけれどよく透る声、活発な表情と演技、トータルな存在感で華やかに舞台を盛り上げるアンナ・ネトレプコは現代オペラ・エンターテイナーの申し子ともいえる存在でしょう。今回もコメディエンヌぶりを大いに発揮しながら舞台上を飛び回っていましたが、身軽さに感心するよりもその運動エネルギーが気になってしまいます。それでも、劇場の観客からは拍手喝さいを浴びていましたし、映画館でもあちこちから好印象の反応が感じ取れました。

他のキャストでは、ポレンザーニの美しいテノール、ジョン・デ・カルロ(Bs)とM・クヴィエチェン(Br)による芸達者ぶり、そしてJ・レヴァインの颯爽としたオケは最上の音楽的愉悦感を与えてくれました。加えて、O・シェンクによるオーソドクスながらも軽妙な演出と豪華な舞台装置は、さすがMETならではの手抜きのない、真正面からの取り組みです。

さて、この作品はベルカント喜劇の代表作の一つとして、美しいメロディ、洒落た節回し、掛け合いが絶妙な多重唱が満載で音楽そのものはとても楽しめるのですが、いくら冗談とはいえ高齢者をコケにする物語展開はあまり気持ちの良いものではありません。作曲当時(1843年)の時代背景あるいは欧米文化の中でのドタバタ喜劇としては十分に許容範囲なのかもしれませんが、現代に上演する作品としては何らかの考慮が欲しいところです。素晴らしい音楽はそのままに、あえて台本に手を加えることは反芸術的行為として許されないのでしょうか?

手元のある映像作品は2002年のカリアリ歌劇場でのライブ収録盤です。リリックな声質と美しい容姿を持つE・メイ(S)なのですが、このノリーナという「おきゃん」役には若干上品過ぎるようです。他の一級の出演者たち、オケ、演出はとても明るく活発で、この作品に相応しい舞台となっています。

今回の東劇は100人以上の観客が入っていました。ネトレプコ人気もあったでしょうが、METライブビューイングは確実に定着を深めているようです。次回作はヴェルディの「ドン・カルロ」(1/8 – 1/14)です。また見に行くぞ。

|

« 2010年度リーグ戦の終了 | トップページ | 2010年の備忘録 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161527/50274712

この記事へのトラックバック一覧です: 『ドン・パスクワーレ』@METライブビューイング:

« 2010年度リーグ戦の終了 | トップページ | 2010年の備忘録 »