『パトリシア・プティボン』 @オペラシティ
ついに念願だった生プティボンを聴くことが出来ました。10月31日、オペラシティコンサートホールでのレヴィ指揮、東フィルをバックにした演奏会です。前半はモーツァルトとハイドンを中心とした古典作品、後半はうって代わってミュージカルナンバーを含めたアメリカ音楽集という大胆な組み合わせでした。
さすがにフルオケをバックとした歌唱を長時間続けることはせず、合間にオーケストラ曲を挟みながらのコンサートとなったことはプティボン目当てのファンにとってはちょっと残念です(無理をして喉を潰されても困るが)。前半はCD『恋人たち』やザルツブルグ映像ですでにお馴染みの曲が続きます。身振りと表情の豊かさはいかにもプティボンならではの表現です。併せて声の表情も千変万化です。ファンには堪りませんが、好みは分かれるかもしれませんね。ハイドンの『ご機嫌よう、親愛なるセンブルニーオ』ではついにプティボン・ショーが始まりました。指揮者のレヴィを巻き込んでのダンスです。
後半はまず、バーバーの歌曲『この輝ける夜に、きっと』の静かな美しさにうっとりです。バーンスタインのキャンディード、『着飾って、きらびやかに』では、小さな山高帽を頭に載せての登場の場面から笑わせてくれます。クネゴンデ姫の哀楽を一層デフォルメしたコミカルな演技と歌唱で会場を沸かせます。まさにプティボンの真骨頂です。
アンコールは指揮者レヴィのピアノをバックにコール・ポーターの「Everytime We Say Good-bye」が静かに歌われました。ミュージカルナンバーを含めたポップス曲が似合うオペラ歌手というものでは、恐らくプティボンの存在は飛び抜けているでしょう。例えば、フローラン・パニーとの「Guide Me Home」を聴いてみよう(YouTube映像はここ)。
コンサートを終わってのサイン会の場は長蛇の列で、流石に並ぶ気は起りませんでしたが、現れた私服姿プティボンは舞台上とはまた大きく違った、とても気さくで飾り気のない自然の笑顔をサインを求める人たちに振り撒いていました(下の写真)。好感度倍増です。
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コメント
プティボン、数年前にチラシを見て妙に気になる演奏家の一人だったんですが、聴きに行かれたんですね。
(サインしている時の表情はチラシよりもっと魅力的ですね。)
今、ちょっと出かけにくいので11月はコンサートのチケットを買わなくて良かったと思っているんですが、機会があれば聴きに行きたいです。
投稿: LENI | 2009年11月 1日 (日) 00時08分
YASUさん、お会いしたかったですね。
素晴らしいプティボンでした。ファンが急増しているような実感ありです。早くから注目されていたYASUさんの目に狂いはなかった、そんなお話もしてみたいですね。
投稿: ご~けん | 2009年11月 1日 (日) 00時19分
LENIさん、
そう、プティボンは前からとても気になる(以上の)存在でした。で、今回改めて、レパートリーの広さ、抒情とコミカルの両面性、観客へのサービスぶり等を確認してきました。今後も引き続き注目です。
(また、畑で・・・)
投稿: YASU47 | 2009年11月 1日 (日) 10時42分
ご~けんさん、
いや、私の場合は単なるミーハー目線です(^^;)。最初は、映像盤での美しい容姿と達者な演技に惹かれたのが切っ掛けでした。今では深い抒情も含めた幅広いレパートリーの歌唱にもぞっこんです。
投稿: YASU47 | 2009年11月 1日 (日) 10時58分
YASUさん、ご無沙汰そております。
心がウキウキしてしまう、素敵なコンサートでした。
クリクリ眼で踊るような「プティボン・ショー」は、ほんとに楽しいものですね。
アンコールで、ステージに座ってしまうことで、客席との距離感が縮まり、親密感が増したように思います。
早足で、駆け上がり、列の半ばぐらいに並びました。
ひとりひとり目を合わせて、サービス心も満点です。
プティボン再初期発見者のYASUさんにお会いしたかったところです。
投稿: yokochan | 2009年11月 1日 (日) 11時36分
YASUさん、念願の生プティボン、至近距離で見られて良かったですね♪
楽屋から出て来た普段着姿に思わず「かわいい〜」と感嘆の声をあげてしまった私です。
あ!もちろん、歌も、とっても良かったですね!(^^)
昨年のリサイタルとは、また一味違ったプティボンの魅力が堪能でき、おかげさまで楽しい一時をすごすことができました♪
投稿: snow_drop | 2009年11月 1日 (日) 21時27分
yokochanさんのレビュー記事は丁寧、かつ同じオヤジ目線なのでとても共感出来ます。明日のリサイタルにもお出かけなのですね。羨ましいです。
サイン会では並びませんでしたが、しばらくの時間、至近距離で眺めていました(怪しい!?)。自然な笑顔が本当に素敵でした。
投稿: YASU47 | 2009年11月 1日 (日) 22時39分
snow-dropさん、
プティボンはコンサートでの仕草といい、私服姿といい、本当に「可愛い」ですね。ソプラノ歌手というと、つい「お高い」存在をイメージしてしまうのですが、プティボンはその歌唱レパートリーやステージパフィオーマンスも含めて対極にありますよね。この個性をぜひ貫き続けていってもらいたいものです。
投稿: YASU47 | 2009年11月 1日 (日) 22時46分