映画・『3時10分、決断の時』
新聞や雑誌、ネット上で高い評価を受けていたので気になっていました。らしからぬ題名ですが、武闘派の西部劇そのものです。50年代に作られた映画のリメイク作品とのことですが原作は観ていません。西部劇に期待するのは現代作品にはなかなか見られない素朴な男気、風景が持つ抒情、土の匂いといったものなのですが、この作品はそれらの要素には満ちているものの、派手な銃撃戦による血生臭さも相当なものでした。
原題の「3:10 to Yuma」が示す通り、3時10分発のアリゾナ州ユマ行き列車に強盗団の首領ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)を乗せるべく、借金苦にあえぐ牧場主ダン(クリスチャン・ベイル)が護送チームに加わることで物語は始まります。ベンの仲間たちが奪還を計るなか、護送メンバーは次々と襲いかかる出来事に次第に減っていきます・・・。
芽生えた男どうしの共感があそこまでの結果となる?という筋書き上の大きな疑問が残ります(ネタバレになるので詳細は控えますが)。また、人物造形が単純で(特にギャングたち)、人の命も軽すぎます。それでも西部劇の様々の要素をテンテコ盛りにしながら現代風の早いテンポでぐいぐいと引っ張ってくれる一級の娯楽作品です。ロードムービーとサスペンスの要素もあります。主題は「男の友情」と謳われているようですが、むしろ「親子の愛情」かもしれません。
ラッセル・クロウの悪役ぶりがとても魅力的です。ピーター・フォンダが老いた用心棒役で奮闘していました。もう少し長生きさせてもらいたかったな。
監督は『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でカントリー・シンガーのジョニー・キャッシュを描いたジェームス・マンゴールドです。どうりで、まるでキャッシュの歌のような骨太の作品に仕上がっています。
この作品の上映館はごく限られています。今は、西部劇というジャンルそのものに集客力がないのでしょうか?もっと全国に広がって公開されてもよい作品だと思います。
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