『平山郁夫シルクロード美術館』@八ヶ岳高原
『平山郁夫シルクロード美術館』は1999年に、盆地を挟んで南アルプス連山を正面に見据える八ヶ岳南麓に開館されました。シルクロードを描き続けた平山郁夫氏による四曲一双(屏風形状)の巨大(171 x 363cm x 8枚)な連作絵画をはじめ、遺跡、寺院、砂漠のキャラバン隊等を描いた自作作品、そして中国、中央アジア、西南アジアの各地から収集された陶器類、装飾品、古美術品などが並んでいます。幻想的で中央アジアへのロマンをいっそう掻き立てられる平山作品は前から直接見たいと思っていたところに、現在、『豊穣なる色彩―ウズベキスタンの布と器』という特別展(6月28日まで)を開催中となれば行かざるをえません。
特別展示では壁一面に並ぶスザニ(掛布)やクイラク(女性用コート)、チャパン(男性用コート)に懐かしさを覚えると共に、改めてじっくりと眺めて見ると、特にスザニのデザインの斬新さと手縫いのきめ細かさに驚かされます。また、採画皿や壺といった陶器の色の鮮やかさには改めてその美しさを感じました。過去10年以上にわたるウズベキスタン通いの身であるにも拘わらず、現地では「何も見ていなかった」ことに気付かされます(まぁ、目的が違ったのですから止むを得ませんが)。
自由閲覧が可能な2階のラウンジで画集を眺めていると改めて平山作品の独特の画風、題材のユニークさ、そして果たしてきた業績に感嘆させられ、シルクロードのみならず、広島やサラエボを描いた反戦平和のメッセージにも心打たれます。尾道の「平山郁夫美術館」と薬師寺の「大唐西域壁画」近い将来の訪問地候補に追加です。
美術館のあとは、清里経由で八ヶ岳山麓の空気と、郷土料理「ほうとう」を味わいながら甲斐の国をあとにしました。
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