憲法記念日二題
今日は1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから62年目となります。団塊の世代に属する私たちは国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という憲法精神が最も発揮された時代に初等教育を受け、特に意識はしてこなかったものの、それらを当然のものとして身体の中に染み込ませてきた世代と言えます。日本国憲法は私たち国民の人権や平和、生活を守る上での国家の運営原則であると共に、個々人が様々なことを考える上での基準あるいは道標(みちしるべ)となってくれるものです。それほどに、現行憲法に記された理念は素晴らしいものだと言えます。
改憲を主張する人々は、60年を経て時代環境が変わった、あるいは現実との齟齬ということを理由としますが、むしろ混迷を深める今の時代にあって、日本国憲法という原点の「実現」こそが向かうべき方向だと思います。
さて、以下はその憲法記念日にあたっての二題です。
(その1)
今日の朝日新聞全国版(と、北海道新聞)に右のような意見広告が掲載されていたのをご存知ですか?7,521名(匿名を含めると8,395名)の署名付きの『憲法第9条(戦争の放棄)・第25条(基本的生存権)の実現を!』という市民カンパによる広告です(虫眼鏡が必要ですが私の名前も記載されています)。お互いに顔も知らないひとりひとりの力はあまりにも小さく、この8,395名による意見広告も宣伝効果としては一瞬のことですが、「出来ることはしてみよう」という立場で参加してみました。
(その2)
「九条の会・ちばけん」と「九条の会・千葉地方議員ネット」の共催による「憲法9条の集いin Chiba」という催し物がありました(5月2日、習志野文化センター)。イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんと憲法学者で九条の会の呼びかけ人の一人、奥平康弘さんによる講演はとても興味深いものでした。1,500人収容の会場は満席で100名以上が入場出来なかったとのことです。
高遠さんは2004年、イラク抵抗勢力からの解放後に国内で激しい自己責任バッシングを受けて深い痛手を負ったものの、再びイラク人道支援の最前線に立って活動を継続しています(詳細は高遠さんのblogへ)。今回は映像と写真を交え、5年ぶりに訪れたイラクの現状報告でした。いまだに暴力の応酬が絶えないバクダッド市内とは異なり、西部のアンバール州等では地元勢力主導による復興と平和への兆しが現われてきたとのことです。しかし、一方では国内外に約500万人(実に5人に一人)という難民の存在、米軍、原理主義、抵抗勢力という三つ巴の戦闘構造、シーア、スンニ両派対立、クルド民族問題等は未解決のままです。戦争の引き起こした悲惨はいつ解決されるのでしょうか?
奥平さんは「九条の会」結成時の秘話に始まり、かつてのような「自衛隊の存在=違憲」という単純で拡がりを伴わない見方からの脱却、9条と25条は一体であることなどを時にはユーモアを交えて分かり易く話してくれました。
北朝鮮によるミサイル発射以降、ソマリアへの海上自衛隊派遣、自民党主導による衆院憲法調査会再開の動き、と世の中が急にキナ臭くなってきました。この機会にこそ、原点に戻り、日本国憲法の一読はいかがでしょうか?
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コメント
広告見たかった!
記念日おめでとうございます
投稿: lovebabo | 2009年5月 8日 (金) 23時14分
lovebaboさん、
いつまでも祝う気持ちが続く憲法であってもらいたいですね。
広告の拡大版は下のURLで見ることが」出来ます。
http://www.ikenkoukoku.jp/
でも、やっぱり名前までは読めませんね。
投稿: YASU47 | 2009年5月 9日 (土) 20時47分