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2009年3月28日 (土)

『平和のための戦争展』@八千代

90327 表題の小さな展示会が地元の八千代市で開催されていました(無料、329日まで)。村上地区に新設されたアース・メイトという温浴施設の入り口脇にある小部屋です。

「八千代市にとっての戦争」を主題にした遺品、記録、写真、調査データ等の資料が壁やテープルの上に展示されています。規模は小さいものの、まるで高校の文化祭のように手造りの温もりが伝わってきます。特に興味を惹かれた展示には以下のものがありました。

「陸軍習志野学校と毒ガス実験施設」

今の習志野自衛隊駐屯地には毒ガス設備が存在していました。施設の一部や実験に使われた動物慰霊塔が写真に残っています。2007年には千葉市稲毛地区で4発の遺棄毒ガス弾(イペリット)が新たに発見されており、また習志野地域での毒ガス遺棄、汚染問題は未解決のままです。

「関東大震災で軍隊は何をしたか?」

戦争以前の出来事ですが(1923年)、内務省による意図的な発令と自然発生的なデマにより多くの朝鮮人が自警団や陸軍憲兵隊等によって殺害されました。船橋地区では50名以上が犠牲になったとの記録がありますが、八千代市内の大和田新田でも自警団に「わたされた」3名が殺され、その地に無縁仏が残っているとのことです。また「保護」と称して多くの朝鮮人を習志野の施設に「収容」し、憲兵による選別と殺害が行われたとのことです。

ごく普通の市民たちが大災害というパニック状態の中で、排外主義と民族差別を背景とした扇動によって分別を失ってしまったことの恐ろしさを大きな教訓として学ばなくてはならないと思います。とりわけ今、北朝鮮のミサイル問題を契機として扇情的なナショナリズムと排外主義がいっそう高まろうとしていることを深く憂慮します。

他には八千代出身者の戦没地別、年度別統計や八千代九条の会の活動等が展示されていました。年を経る毎に風化していく戦争体験をこうして語り継ごうとする小さな努力に敬意を表すると共に、私たちと以降の世代が更にそれを引き継ぐことの大事さを思います。

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