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2009年2月 6日 (金)

『つばめ』@METライブビューイング

90204 今回はプッチーニの珍しい作品が上映されました。METでも72年振りの上演とのことです。全編、甘いプッチーニ節満載の作品ですが、単独でもしばしば採り上げられる「ドレッタの美しい夢♪」が有名ですね。とても美しいメロディです・・・。

この作品があまり上演されることがないのは、よく言われるように「ラ・ボエーム」と「マノン」と「椿姫」を足して3で割ったような物語で「決め手」に欠けることでしょうか?19世紀以前ならいざしらず、20世紀のヴェリズモ作曲家の作品としてはやはり物足りないものを感じます。金持ちの愛人によるベタ恋愛物語、主演がゲオルギュー(マグダ)とアラーニャ(ルッジェロ)のベタ夫婦コンビ、加えてプッチーニのベタメロディというかなりコテコテの条件にも拘わらず強烈な印象を残すことはありませんでした。

さて、幕開け前にMET支配人のゲルブ氏から会場に対して「本日のゲオルギューは風邪で本調子ではありませんが、温かく応援して下さい」という丁寧な挨拶とお知らせがありました。確かに出だしいきなりの「ドレッタの美しい夢」には辛そうなものがありましたし、その後も決して本調子とは思えませんでした(しかし、幕間のインタビューではよく喋るわ・・・)。でも、それ以上に表情にやつれを感じたのは風邪?疲れ?あるいはやはり年令のせい?溌剌としていた約10カ月前のMETライブビューイング「ラ・ボエーム」での姿と比べるとその差に驚かされました。

楽しめたのは第二幕でした。「ラ・ボエーム」の「カフェ・モミュス」のパクリ(^^;)かとも思える「カフェ・ブリエ」でのシーンではムゼッタとマルチェルロならぬ詩人プルニエ(T)と小間使いリゼット(S)のコンビも絡み、大いに盛り上がります。主人公たちとの四重唱も「ラ・ボエーム」のシーンを彷彿とさせます。しかし、この場面でもバリトンやメゾとの絡みがないことが深みを感じさせない一因かもしれません。名バスバリトン、サミュエル・レイミーの出番も少ないですね。

指揮はマルコ・アルミリアート、昨シーズンのMET「連帯の娘」で軽妙なドニゼッティを聴かせてくれました{柏の葉}。オーケストラサウンドを楽しむには「東劇」の音響は悪すぎるようです。

ということで、今回はちょっと辛口となりましたがライブビューイングへのファンであることはこれまで通りです。

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コメント

ふふふ
楽しい感想です

どの作品にも ヤスさんの思い入れがあり
それぞれの歌手が生々しく 感じられます

やはり 年齢は重ねるものなのですね!


また 楽しみにしています

投稿: lovebabo | 2009年2月 6日 (金) 19時00分

lovebaboさん、
音楽でも絵画でも、素人なりの面白さの発見が病みつきになるのかな?モーツァルトやプッチーニやセザンヌのおかげで人生、少し得をしています。

投稿: YASU47 | 2009年2月 7日 (土) 12時06分

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