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2008年12月27日 (土)

2008年の忘備録

実に早いものですね。もう2008年も暮れようとしています。

今年は年金制度の破綻に始まり、後半になってからの急激な金融不安、円高、景気の落ち込み、原油の乱高下、加えて政治の無策と迷走により高齢者や派遣労働者といった弱者が更に多く切り捨てられようとしています。企業は派遣切りの前にまずは株式配当の切り下げ、役員報酬の半減といった採りうるべき社会的責任手段がある筈です。

さて、今年も怠惰なペースながらどうにかblogを続けてきました。主なトピックスについて載せてきましたが、下記は漏れたものを含む、云わば、自分への2008年の「忘備録」です。でも、文化的達成度が低いぞ・・・。無理もありません、家ではもっぱら「ウンナンのイロモネア」「爆笑レッドカーペット」「エンタの神様」といったネタものばかり(勿論M1も!)ですから・・・。来年はもっと観劇やコンサートを増やしたいなぁ。

2008年に読んだ主な本>

「京都議定書再考」 江澤誠 新評論社

「憲法の力」 伊藤真 集英社新書

「谷中村滅亡史」荒畑寒村 新泉社

「自壊する帝国」 佐藤優 新潮文庫

「水滸伝」 1-19巻 北方健三 集英社文庫

「楊令伝] 1-7巻 北方健三 集英社

「水滸後伝」 陳枕(寺尾善雄訳)  秀英書房

「新訳水滸伝」 上下巻 津本陽 潮出版社

「ものがたり史記」 陳舜臣 中公文庫

「項羽と劉邦」 上中下巻 司馬遼太郎 新潮文庫

「三国志」 1-2巻 宮城谷昌光 文春文庫

「山下りん」 大下智一 北海道新聞社

「ニコライの塔」 川俣一英 中公文庫

戯曲「サロメ」 オスカー・ワイルド 

 2008年の観劇>

「ドン・ジョヴァンニ」 新国立劇場

秋田小坂町 「康楽館」 

2008年の美術館>

「マチスとボナール展」 川村美術館

十和田市現代美術館

白凛居(山下りん記念館)

笠間日動美術館

「セザンヌ主義」 横浜美術館

2008年の映画館>

METライブビューイング「ヘンゼルとグレーテル

METライブビューイング「マクベス

METライブビューイング「ピーターグライムス

METライブビューイング「ラ・ボエーム」

METライブビューイング「連帯の娘

「おいしいコーヒーの真実」

「赤貧洗うがごとき

「アイ・アム・レジェンド」

「ハッピーフライト」

「ウォーリー」

ついでに、今年、印象に残った断片集です。

今年の恥>

やっぱり「みぞうゆう(未曾有を)」「はんざつ(頻繁を)」「ふしゅう(踏襲を)」に尽きるでしょう。でも、こんな国語能力は彼の資質のほんの一部。このような首相をいだく私たちこそ恥ずかしい。

今年の言葉>

 「あなたとは違うんです」 でも、自民党とはいえ、少なくとも改憲に前向きではなかった福田前首相は憎めないキャラでした。

今年の残念> 

阪神の逆転負け。しかし、終盤まではほとんど独走状態だったので長いシーズン期間中は良い気分でいられました♪

今年の痛快>

星野ジャパンの北京オリンピックでのメダル逃し。僕はあのヒステリックなメダル狂騒が苦手なのです。

今年の慶事>

モンテディオのJ1昇格。あ、来シーズンは山形出身の義妹から強制応援に駆り出されそうです。

今年の笑い>

M1勝者はオードリーだと思ったのに・・・。今年は「ナイツ」「しずる」「はんにゃ」などが良い味を出しました。

今年の才能>

しょこたん。TVでのマルチな活躍もさることながら金曜深夜ラジオ番組「ギザサイエンス」での司会ぶりで見直しました。下の絵は彼女の作品。

今年の私事>

長い間勤めた会社を辞めて独立しました。業界の皆さん、忙しくない仕事を下さい・・・。

では、皆さま、良いお年をお迎え下さい。 

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2008年12月17日 (水)

『ドン・ジョヴァンニ』 @新国立劇場

81215giovanni 新国立劇場で久々の生オペラを楽しみました。「ドン・ジョヴァンニ」はすでに馴染み深い作品でしたが、スピーディな演出、美しい舞台、レベルの高い出演者たちにより、とても楽しむことが出来ました。

舞台がヴェネチアとなっていることに最初は戸惑いましたが、違和感はすぐに消え去りました。むしろ仮面舞踏会の場面などはヴェネチアこそが似合うのかもしれません。演出は特に読替えもなく、オーソドックスですが、シャープな舞台美術や色彩と相俟ってスピーディに展開していきます。でも、あの巨大な操り人形は何だったのだろう?大きなチェスの駒も度々登場しましたが、この意図を特に考えることはせず、舞台美術上のアクセントとしてならば特に邪魔なものではありませんでした。

出演者ではドナ・アンナ役のエレーナ・モシュク(S)が素晴らしかったですね。第二幕のアリア「つれない・・・ですって?」は絶品でした。美しいソプラノのピアニシモが会場全体の空間に浸みわたるのです。滅多に体験することの出来ない至福のひと時でした。

この作品は「フィガロ」や「コジ」のようにアンサンブルの妙を聴かせるというよりは、それぞれの歌手が個人技を競い合うという趣があります。その点で舞台の流れが寸断されがちになるのですが、優れた歌手たちが出演する時には次から次へと繰り出される美しい、あるいは軽妙なアリアに耳を奪われます。エルヴィラ役のアガ・ミコライ(S)というのは初めて聞く名前でしたがジョヴァンニに対する葛藤を見事に歌い演じていました。十年後の(^^;)ベッキーを思わせる魅力的な風貌を持っています。

高橋薫子(S)さんのツェルリーナ役はすでに内外で絶賛されているとのことですが、清楚で美しい声と小賢いキャラクターとのアンバランスがツェルリーナの小悪魔的魅力を引き立てていました。ちなみに最優秀助演賞はエルヴィラの侍女でしょう(^^;)。登場時から軽妙な演技で演出に貢献していました。男声陣は省略・・・(^^;)

オケ(東フィル)は序曲や最初のうちは固めに聴こえましたが、後半に行くに従って鋭さが増し、音楽そのものも盛り上がっていきました。二階席から常時眺めるC・トリンクスの指揮ぶりはエネルギッシュで途切れることのないキレの良さを感じさせていました。好感度大です。

最終日でもあったことから、主演者たちが何度もカーテンコールに応えてくれました。良い公演に恵まれたと共にモーツァルトを聴く歓びにたっぷりと浸った数時間でした。

  

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2008年12月 2日 (火)

『セザンヌ主義』 @横浜美術館

ポール・セザンヌの約40点と、その影響を受けたと考えられる内外の作品約100点を集めた「セザンヌ主義 - 父と呼ばれる画家への礼賛」という企画展が横浜美術館で開催されていました。(HPはここ

横浜美術館はランドマークタワー等が立ち並ぶ「みなとみらい」地区の一角にある明るく近代的な美術館です。

今回の企画展はセザンヌの作品を人物画、静物画、水浴図、風景画に分け、それぞれの分野で影響を受けている後継者たちの作品群を並べています。つとめて啓蒙的企画といえますが、決して押し付けがましいものではなく、セザンヌ作品と軸とした構図と色彩と個性の競い合いはとても面白いものでした。特に岸田劉生、安井曾太郎、森田恒友といった日本の近代西洋絵画の基礎を築いた画家たちの作品に現れるセザンヌの影響は興味深いものでした。また、セザンヌは後のピカソやブラックによる「キュピズム」に大きく与えたと言われています。確かに静物画やプロバンスの風景画に見られる構図や形体へのこだわりはそれまでの印象派作品群とは異なります。

下の絵はセザンヌの「青い衣装のセザンヌ夫人」(1890年)とモディリアーニの「少女の肖像(ユゲット)」(1918年)です。正面図であること、堅固な構図、寒色系の背景、首の傾け具合、襟元のアクセント、手の組み具合(セザンヌでは見えませんが)等でモディリアーニの作品が当時心酔していたセザンヌの影響を受けていることが良く分かります。とても興味深いですね。

この企画展は2009年の125日(土)まで開催されています。

  

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