北方謙三 『楊令伝』 1-7巻
北方謙三『楊令伝』を現在まで発売されている第7巻まで読了しました(図書館から借用)。北方「水滸伝」全19巻からの流れで一気に読み進めました。作者が「水滸伝」を執筆するに当たり、すでにこの「楊令伝」を含めた全体構想を練り上げていたということが良く分かります。登場人物や舞台の連続性がしっかりと保たれています。
ところで、オリジナル「水滸伝」そのものにも「水滸後伝」というものが存在していたのですね。「水滸伝」(百回本)からの生き残りの英傑たちが南のシャム地方にわたって活躍するというものだそうです。李俊、公孫勝、戴宗らに加えて「水滸伝」では敵側だった聞煥章、扈成や欒廷玉、更には「北方水滸伝」では梁山泊と共に運命を共にする元小七、樊瑞、孫立、楽和、安道全、黄信らが再登場して共に活躍するとのことです。(興味を惹かれたのでamazonへGOしました)
北方版では、そもそも「水滸伝」そのものの基本骨格をオリジナルから大きく変えてしまっており(梁山泊は帰順ではなく滅亡へ)、続編となる「楊令伝」でも物語と登場人物は「後伝」から大きく異なります。第6巻までの物語は宋・金・遼間の凌ぎ合いと「方蠟の乱」という史実を背景として梁山泊が楊令を中心として再起してゆく姿を描きます。そして第7巻で再び童貫率いる宋禁軍との決戦が再開されます。時代的にはそろそろ金が宋になだれ込む時期ですね。次巻が楽しみです。
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