プティボンの新譜・『恋人たち』
パトリシア・プティボンの久しぶりの新録音です。国内版の発売に先駆けて輸入盤を入手しました。曲目はプティボンの守備範囲のど真ん中でもあるハイドン、モーツァルト、グルックのオペラ・アリアで手堅くまとめています。安定した歌唱と豊かな表現で健在ぶりを示してくれましたが、彼女特有の遊び心はほとんど封印しています。アーノンクールとのハイドン「アルミーダ」「騎士オルランド」といった作品で聴かせてくれたバロックセリアの延長線にあるアルバムです。弾力性に富みながらも引き締まったオーケストラ(ハーディング指揮のコンチェルト・ケルン)をバックによく伸びるコロラトゥーラを自在に操っています。
これまでプティボンについては何度か書いてきました(HPでの紹介、DVD「フレンチタッチ」、YouTube映像、ザルツブルグ・ガラ・コンサート)。
やはりプティボンといえば、歌の巧さに加えて、コメディエンヌぶりも含めた愛くるしい仕草と自由闊達な表現力に惹かれます。残念ながら行きそびれましたが、今年の来日公演でも多くの聴衆の心を引きつけたようですね。インタビューでは、これからの自分の活躍を宣言していました。今回のメジャー(DG)での新録音を弾みに更に多くの舞台や映像に登場してもらいたいものです。
10/26追記
このアルバムを機に作成されたDGによるプティボンのオフィシャルサイトがあります。嬉しいことに、録音風景の映像(モーツァルト「夜の女王」「ツァイーデ」、ハイドン「月の世界」)を視聴することが出来ます。いかにもプティボンらしい大きな身振りと表情の豊かさが印象的ですし、カジュアル姿にもとても好感が持てます。プティボンファンは必見です。
スケジュール表によると、来年のザルツブルグに「コジ」で登場なのですね。簡単に行かれる身分ではないため映像化に期待です。
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