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2008年8月19日 (火)

R・シュトラウス 『アラベラ』

連日の猛暑にぐったりとしておりました。オリンピックのメダル喧噪からも距離をおき、時間の無駄と知りつつ、つい手を出してしまったのがDS版のDQ5「天空の花嫁」・・・。猛暑によるダメージをベホイミで回復させる一方、自分自身にバイキルトをかけながらどうにか暑さを乗り切りました(^^;)

さて、この数日は朝晩の気温も下がったことで何となく今シーズンの始まりの予感が(芸術の秋には早いけど)・・・。ということで聴きたくなったのがR・シュトラウスの華麗な音楽、チューリッヒ歌劇場による「アラベラ」(20076月)のDVDを視聴しました。

舞台は明るくシャープな色彩感に溢れていて現代風ですが、登場人物の描き方はオーソドックスで、余計な読み替えもなく好感が持てます(演出は故G・フリードリッヒ)。

Aeabella_2  タイトルロールのアラベラはMETのプリマ、ルネ・フレミングです。彼女はまるで年令と共に若返っていくようです。 ここではとても1959年生まれとは思えないコケティッシュな魅力をみせてくれます(まるでメグ・ライアン風?)。伯爵夫人(フィガロ)や元帥夫人(ばらの騎士)に比べ、この作品ならではの若い女性特有の喜怒哀楽と感情表現を求められるからでしょうか?一方、歌唱ではリリックを超えた声の強さを感じました。

マンドリカ役のMF・ラルセンはデンマーク出身の若手バリトンです。声量がありイケメンですがかなり濃いキャラクターです。これからの活躍が期待出来ます。

ズデンカ役のJ・クライターは1980年ドイツ生まれの若手ソプラノ。第3幕で男装を解いて現れた時の美貌ぶりにはハッとさせられます。第一幕の姉妹によるソプラノ二重唱の場面ではオーケストラと溶け合ったR・シュトラウス独特の音世界に浸る快感を味わせてくれます。

実は「アラベラ」を聴くのは初めてでした。「ばらの騎士」に劣らない音楽の醍醐味を味わせてくれる作品なのでしょうが、ウェルザー=メストとチューリッヒの音造りにはキレの不足と歌手たちとの不調和を感じました。もっと多くの演奏家で聴いてみたい作品です。

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2008年8月 6日 (水)

『白凛居』訪問・再び山下りん

山下りんの生地であり、晩年を過ごした茨城県笠間市の「白凛居」を訪れました。この清潔でこじんまりと整った資料館は昨年(2007年)の6月に親族の手によってオープンされました。個人宅であると共に、訪れる人も決して多くはなく、月に数日しか公開されません(公開予定日は白凛居HPに掲載されています)。

館内はりんの絵画作品、習作、下絵、遺品、日記等が展示されています。足利盛岡の正教会で目にしてきたイコン画家とは全く別の山下りんがそこにはいました。特に興味を惹かれたのは工部美術学校での修業時代の作品、ラファエロの模写(の模写とのこと)、箱根でのスケッチ、人物画、版画等々です。どの作品にも純粋に西洋画家を目指したりんの姿が覗えます。

80805_2  「ウラジミールの聖母子」という小ぶりの作品が壁にかかっていました(右の写真)。構図はよくある聖母子像であり、りん自身も幾つかの聖母子像のイコンを正教会に残しています。しかしながら、この白凛居に残された聖母子像は聖母マリアの表情と色使いの柔和さが際立っています。裏側には「1901イリナ山下」の署名があります。通常のイコンでは製作行為そのものも信仰の一環であり、サイン等で作者の痕跡を残すことはありません。この聖母像だけはりん自身の信仰と絵画への想いを込めて手元に置き続けたのでしょうか?

館内を案内していただいたご親族(りんの実弟の曾孫にあたる方)からは、いろいろ興味あるお話を伺いました。父上(すなわち実弟の孫)である小田秀夫氏によって山下りんの研究と紹介が進み(「山下りん(日動出版)」の著作あり)、この白凛居はそれら資料の収蔵館となったとのことです。

白凛居によって区切りをつけようと思っていた「山下りん」を追う旅は、今回の訪問によって逆にますます興味を惹きたてられてしまいました。本を幾つか紹介して頂いたので(先の小田秀夫氏の著書に加え「ニコライの塔(川又一英著)」「山下りん(大下智一著)」)、早速amazonGO!です。

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