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2008年7月14日 (月)

十和田市現代美術館

盛岡から更に北上して辿り着いたのが青森県十和田市。目的は今年(2008年)の4月に開館したばかりの『十和田市現代美術館』です。現在常設展示されているのは21名の作家による22作品だけですが、これが実に独創的で面白いのです!

現代アートというと往々にして作者の自己満足的な作品が多く、理解に苦しむだけでなく、時にはどうみてもガラクタとしか思えないオブジェなどもあって敬遠しがちなのですが、この十和田にある作品群は「遊び心」が満載で恐らくは誰もが楽しむことが出来ます。

作品は表通りに面した屋外や中庭での展示に加え、各々が独立した部屋(箱)の中に収められています。作品は「鑑賞」されるのではなく、ひとつひとつを独立して「体験」出来るようになっているのです。作品はオブジェのみならず、音響や映像を伴うものもあります。そのどれもが実にユニークです。

80713 まず、最初の部屋に入ると身長4メートルのリアルで巨大な女性像と出くわします(写真)。肌の皺から髪の毛の一本一本に至るまで実に微細に人間の形を再現しています。これが単なる巨大な蝋人形なのか芸術作品なのかということはどうでもよいのです。単純に驚き、面白いのです。

薄暗いレストラン風の座席に座ると窓の外には何と深夜のハイウェイが遠くまで続いています。「だまし絵」ですが実に不思議な感覚に捉われます。長い時間座っていても飽きることがありません。

他にも不思議な生活映像の流れる部屋、まるでキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」のような一室、観る者の心を不安定にするビデオCG(グリムの髪長姫をモチーフにしたとか)、実際に鳴らすことの出来るオノ・ヨーコ寄贈の「平和の鐘」等々、体験型の作品が続きます。

それにしても、何故、十和田市にこのようなユニークな美術館が生まれたのでしょうか?十和田といえば誰もが十和田湖や奥入瀬渓流を思い起こしますが、それらの観光資源に依存するだけでなく、さらに「アートによるまちづくり」プロジェクトの一環として官庁街通り全体を対象に市民の参加型、訪問者にとって体験型の新しい創造への試みを行っているとのことです。

青森県の中央という関東以西の住人にとってはアクセスがかなり困難な地域ですが、今、巷に溢れている現代アートに不満を感じている方にはお奨めです。

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