« 康楽館@秋田県小坂町 | トップページ | 『八千代9条の会』・3周年記念行事 »

2008年7月16日 (水)

珈琲喫茶『kleiber』@仙台

帰路に立ち寄った仙台はかつて学生時代に4年間を過ごした思い入れの深い街です。一番丁の「高山」「アイエ」「丸善」といった書店、喫茶「エスポワール」、麻雀によく通った「民謡会館」等々はすでに消え、今は洒落たブティックやレストラン、居酒屋、テナントが軒を連ねています。中心街は店と車と人々で溢れ、今や大都市と化した雑踏の中をひとりで歩いていても余所者の孤独を味わうだけです。

80715 しかし、中心部を僅かに外れると、昔ながらの面影がまだあちこちに残っています。右の写真は澱橋から眺める広瀬川と亀岡方面。約40年前、この近くに下宿していた頃の風景とほとんど変わりません。こうして川内地区や片平地区を歩く時、仙台は再び「我が町」となってくれます。

で、この機会に訪れたのが、前からクラシック系のblogでその存在を聞いていた「kleiber」という名前の、今では数少なくなったいわゆる名曲喫茶です。国分町と定禅寺通りの交わった辺りのビルの地下1階のドアを押して開けると突然何とも懐かしい感覚に襲われます。いわゆるデジャヴ(既視感)よりも更に鮮明な記憶です。そう、ここは40年前によく通った「無伴奏」という名前のバロック喫茶によく似ているのです。たかだか10人ほどのテーブル席と数人のカウンター席しかない狭い空間に音楽が溢れています(丁度、バッハの「フランス組曲」が流れていました)。「無伴奏」が確か白い壁だったの対して「kleiber」ではベージュの壁に数枚の絵が掛かっています。「無伴奏」では一杯に詰まった大きなLP棚が後ろにありましたが、ここではやはり一杯に詰まったCD棚です。「kleiber」の音響は素晴らしく(スピーカーはSonas Faber製とのこと)、粒立ちが良いだけでなく、音に余裕があります。続いて弦も聴かせてもらいましたが(シューベルトのヴィオラ盤「アルペジョーネ・ソナタ」)、まるでリサイタル会場にいるような臨場感でした。

80715kleiber 名前が示すように、店は指揮者カルロス・クライバーファンの店主によって約2年半前にオープンされています。あまりの「無伴奏」と類似した雰囲気ゆえに思わず店主に訊ねてみたところ、「昭和50年代に「無伴奏」にはよく行ったけれど、その後継ではありません」「無伴奏との類似はよく指摘されます。」とのことでした。

僕にとって、学生時代の「無伴奏」への想いにはかなり深いものがあり、更に1970年前後の仙台を舞台にした小池真理子氏の小説「無伴奏」もかなり心の琴線を刺激する作品でした。たまにはしばしの感傷を自分に許しながら音楽に浸るのもいいものですよね。

kleiber」から表に出ると、そこはしばし過ごした時間が嘘のような今の仙台の雑踏です。さぁ、学生時代には半年に一度の贅沢品だった「大町のトンカツ」でも食べに行こうかな。

|

« 康楽館@秋田県小坂町 | トップページ | 『八千代9条の会』・3周年記念行事 »

コメント

お久しぶりです。
昨日は○○プランテック(御社の競争相手)から風量、水量、温度、電力量のデータロガー取り付け業務の件で上大岡まで行ってきました。

彼らの計画見るとただ測ればいいというもので8パターンの計測機器設置要領を見ましたらなんとド素人の計画というのが一目で分かりました。

1.2項目だけで10項目もの改善案を出しました。
はっきり言ってレベルが低すぎるから降りてもいいと思っています。

投稿: Ryo | 2008年7月17日 (木) 20時51分

Ryoさん、ご無沙汰しています。仕事もメルマガも充実しているようですね。私信になるので別途メールします。

投稿: YASU47 | 2008年7月18日 (金) 13時20分

こんにちは

なかなかかけないのですが すべて目を通しています
そして 私も一緒に楽しんでおります

バロック喫茶!

たずねてみたいです

とても いい旅でしたね
お気をつけてお帰りください

投稿: lovebabo | 2008年7月20日 (日) 08時25分

lovebaboさん、
僕の偏った趣味にお付き合い下さりありがとうございます。
世の中から名曲喫茶というものが殆んど消えてから随分と経ちます(都内に幾つか残っているようですが・・・)。そんな今の時代、「kleiber」の音楽と落ち着きに満ちた空間は懐かしいだけでなく、とても新鮮でした。仙台方面にお出かけの際には(といっても滅多にないだろうなぁ)ぜひお訪ね下さい。

投稿: YASU47 | 2008年7月20日 (日) 11時53分

YASUさま、お久しぶりです。
「Kleiber」に行かれたのですね!
仙台はおっしゃる通り、中心部は賑やかな雑踏渦巻く街ですが、その都心にあって、こちらは本当に静かで落ち着く店です。
仙台はよく行く街ですが、なかなかに訪問の機会が作れないのが残念であります。

投稿: yokochan | 2008年8月17日 (日) 23時46分

yokochanさん、
仙台によく行かれるなんて羨ましいです。それにしても「Kleiber」はテーブル数も少ない上にいつも空いているみたいですねぇ(客としては有難いけど)。ちょっと心配になります(^^;)。一生懸命通ってあげて下さい。

投稿: YASU47 | 2008年8月18日 (月) 21時43分

名曲喫茶、クラッシック喫茶等の名称自体大変懐かしい響きです。小生還暦を過ぎた者ですが、勝手、仙台に『未完成・ウィーン・無伴奏等々』があり、よく通いました。
学生時代は札幌でやはり『ウィーン』や店名は忘れたが狸小路横の2Fにもいい喫茶店があり通いました。
今はなぜかこのような店を探すのに苦労します。
この店初めて知ったので近いうちにぜひ行きたいと思います。2~3年前までは『モーツァルト』によく行ったが店内が騒がしい客が多くなったのでやめました。
音楽は静かな室内でゆったりした気分で聴きたいものです。

投稿: 樹海 岳彦 | 2011年7月16日 (土) 20時48分

樹海さん、
同じく還暦を過ぎていますのでほぼ同世代のようですね。私もとりわけ「無伴奏」にはよく通いました。
Kleiberは残念ながら1,2年前に閉店してしまったようです。やはり、この時代にこのような喫茶店の維持は困難のようです。

投稿: YASU47 | 2011年7月17日 (日) 09時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161527/41872055

この記事へのトラックバック一覧です: 珈琲喫茶『kleiber』@仙台:

» 仙台 クライバー コルンゴルド [さまよえる歌人日記]
盛岡→仙台に出張してきた。食いしん坊の感性を満たしつつ、仕事をするのはなかなかに [続きを読む]

受信: 2008年8月17日 (日) 23時31分

« 康楽館@秋田県小坂町 | トップページ | 『八千代9条の会』・3周年記念行事 »