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2008年6月21日 (土)

映画・『おいしいコーヒーの真実』

80621coffee1_2 皆さん、コーヒーはお好きですか?僕の場合は味覚や豆の種類判別能力にはかなり欠けるものの、一日に数杯は口にする大のコーヒー党です(もっぱら自販機ですが(^^;))。

さて、ドキュメンタリー映画『おいしいコーヒーの真実』を観てきました(渋谷UPLINKにて上映中)。この映画のキャッチコピーに惹かれたからです。

「コーヒー一杯330円、コーヒー農家に支払われる金額は?」

答えは、「小売業者と輸入業者296円、輸出業者と地元の貿易会社23円、コーヒー農家3-9円」だそうです(映画のHPより)。

この数値は映画が製作されたイギリスでの調査結果です。一方、日本の1998/1999年の統計調査によると、東京の喫茶店のタンザニア産キリマンジェロコーヒー平均価格419円のうち、喫茶店381円、日本の輸入、焙煎、小売業者34.4円、タンザニアの流通、輸出業者2.1円、コーヒー農家1.7円(実に0.4%!)というデータがあるそうです。

この映画ではモカコーヒーで知られるエチオピアのコーヒー農協連合会の活動を通じて、消費、流通、貿易、価格設定過程、そしてコーヒー農業に携わる人々の貧困生活を追うことによって、世界の現実の一端を描きます。前に見た「ダーウィンの悪夢」と類似のコンセプトですが、比べると表現は本編の方がはるかに穏やかである一方、題材は私たちの日常生活との結びつきがとても強く、考えさせられる作品です。

映画の中で製作者やエチオピア農協の人々が訴えるのは「フェアトレードによって妥当な対価での買い上げを」ということに尽きます。エチオピアに限らず貧困にあえぐ国々は緊急食糧援助に依存せざるをえない状況に置かれていますが、真に必要なのは先進国による搾取体制の維持ではなく、公正な取引を通じた農業や各種産業の自立であることを訴えています。

ちなみにフェアトレードに関しては検索すると多くのWeb Siteが見つかります。今、世の中は環境に配慮したグリーン購入が盛んになりつつありますが、併せて、搾取や児童労働、環境破壊等を排した途上国との関係を築いていければとおもいます。コーヒーに関したフェアトレード販売店やカフェはこの映画HPLINKからも辿ることが出来ますし、皆さんの地元でも見つけることが出来るでしょう。

最後に映画のパンフレットからコーヒー<豆>知識を幾つか紹介しましょう。

・世界市場にてコーヒーの年間売上高は800億ドルで石油に次ぐ巨大貿易商品

・世界でのコーヒー農業従事者は2500万人以上

・日本はアメリカ、ドイツに次いで世界第3位の輸入国

・エチオピアはコーヒーの原産国で、国の輸出額の67%を占める

・日本でのレギュラーコーヒーでのフェアトレードのシェアは0.2%程度(イギリスでは約2割)

さて、一週間ぶりのblogも書き終わったことだし、キリマンジェロでも淹れて(あ、手元にあるのはフェアトレードのものではないぞ)、一息つくことにします。

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コメント

こんにちは
拝見しました

宣伝していたので 見てみたいと思っていた
映画です

フェアトレードであることはしたいことでもあり
しかし 正規の値段に 驚きもします
それだけ どこかで 私たちが相手を圧迫させている
ということなのでしょう

見に行こうと思います

投稿: lovebabo | 2008年6月23日 (月) 23時45分

lovebaboさん、
値段はどのくらい異なるのでしょうか?本来、コーヒーのフェアトレードでは独占企業や途中の流通業者の手を経ずして、小売あるいは卸売業者が直接生産者(農協組合)から購入することで最終小売値段は変えない(あるいは更に安くする)ことを目指していると思います。実際にはそうはいかないのでしょうか?私も、もう少し勉強してみる必要がありそうです。値段を釣り上げたいためにフェアトレードを騙る危険性にも注意しなくてはなりませんね。

投稿: YASU47 | 2008年6月24日 (火) 00時28分

YASUさん、こんにちは。

こういう映画を、少しでも多くの人に見てもらえたら良いですね。(^^)

私は「フェアトレード」を3年位前にNHKテレビの番組で知りました。
それは、10歳にも満たない幼い子供達が学校へも行かず(行かせてもらえず)カカオ農園で来る日も来る日も収穫作業をさせられ、しかも相応な賃金も生活も得られず、結局は一生貧困から抜け出せないという仕組みと、それを改善するためにはどうしたら良いのか問いかけるものでした。

私、コーヒーは飲めないのですが、チョコレートは大好きで、それこそ毎日と言っていいほど食べているので(^^;この番組を見た時は、それはもう大ショックでした。私がチョコレートを手軽な価格で手にしている影にこんな大きな犠牲があっただなんて~
勿論、幼い彼らは自分達の摘み取ったカカオの実から作られるチョコレートを食べたこともなければ見たこともないそうです。(TT)

そして、それ以来、私も、なるべくフェアトレードのチョコレート(他に紅茶やハーブティも)を購入しています。
宣伝するわけではないですが、私は、下記を主に利用しています。
http://www.wakachiai.com/

最近は、まだまだ少ないとは言え、近所のスーパーマーケットなどでもフェアトレードの商品を見かけるようになりましたが、便乗して値段を釣り上げるようなことは絶対あっては困るので、やはり信頼できる所で購入しないとならないですね。
フェアトレードラベル運動などありますが、まだ色々な問題があるようだし・・・

いずれにしても、消費者の私たちもシッカリ考えながら消費行動したいですね。

投稿: snow_drop | 2008年6月25日 (水) 14時12分

snow_dropさん、
すでにフェアトレード製品を選択されていたのですね。snowさんに倣って、事実を知った瞬間から生き方の一部を変えることの出来る感性を僕も持ちたいと思います。
常に世界のどこかで起こっている搾取や収奪の構造を意識しながらの消費者であり続けることは難しく、ついつい経済性や便利さに流され易いとは思いますが、逆にあまり肩肘は張らずに、自然な形で生活の中に取り入れられたらいいですね。今回の映画を観たことで、ちょっとは賢くなれる自分がいたら嬉しくなります。

投稿: YASU47 | 2008年6月26日 (木) 00時09分

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» 「おいしいコーヒーの真実」(2007) [Takuya in Tokyo]
 1998/99年の調査によれば、喫茶店でのコーヒー1杯の価格は、平均419円。  そのうち、誰にいくら取り分として入るのかといえば、  ・タンザニアのコーヒー農家 0.4%(1.7円)  ・タンザニアの流通業者・輸出業者 0.5%(2.1円)  ・日本の輸入業者・焙煎業者...... [続きを読む]

受信: 2008年6月23日 (月) 20時40分

» 『おいしいコーヒーの真実』 [千の天使がバスケットボールする]
コーヒー党の方には、ほろ苦い話。けれども、おいしいコーヒーを一杯飲む前に、お耳をかしていただきたい。コーヒーは世界でも日常的な飲物として、全世界で1日あたりの消費量は約20億杯分にもなる。年間売上は、800億ドル。それでは、私たちが、喫茶店でコーヒー1杯を飲むと、生産者の農家にいったいいくらのお金が渡るのだろうか。 ↓ コーヒーの価格変動は激しく、また生産国、品質・銘柄、消費国、喫茶店やコーヒーの種類によって、価格は大... [続きを読む]

受信: 2008年6月23日 (月) 21時34分

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