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2008年2月17日 (日)

映画・『嫌われ松子の一生』

80216_2 遅れ馳せながらCSにて放映されていた中島哲也監督の『嫌われ松子の一生』を見ました。実に面白い映画でした。これだけ悲惨な人生の転落物語を、全編にわたってユーモアとポップ感覚を溢れさせながら、更にはノスタルジックな詩情を漂わせながら、見終わった後には清涼感さえ与えてくれた映画体験は全く初めてのことでした。

中島監督の前作『下妻物語』も独特の映像と語り口でとても楽しませてくれました。前作がポップな青春映画なら、今回の『嫌われ~』は大人向けのファンタジーです。転落物語なのにファンタジー?でも、ご覧になった方なら誰もがそう感じることでしょう。見る人は、次から次へと襲ってくる不幸に翻弄されながらも、常に人を愛することに自分の幸せを求める主人公にいつの間にかすっかり共感してしまうでしょう。ラストでは、不幸の連続の果てにやっと再起への希望を抱いたにも拘わらず、突如、松子を襲うあっけない死(しかも殺人)に、思わず「お疲れさまでした」と心の中で呟いてしまいます。映画作りのなせる技と知りながらも、全編を通じて思わず感心してしまうシーンの連続、そんな作品です。

監督の手腕もさることながら主演者たちの個性と演技も実に魅力的です。なかでも松子を演じる中谷美紀といえば90年代の後半からその個性を発揮し始めていました。僕も当時、ドラマ「ケイゾク」は中谷ファンのひとりとして毎回欠かさず見ていました。この「嫌われ~」で彼女は昨年度(2006年度)の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始めとする各種の主演女優賞を総なめにしました。まさにそれに値する熱演、怪演です。また、折しも昨日(215日)発表された2007年度日本アカデミー賞においても優秀主演女優賞を獲得(自虐の詩)、残念ながら最優秀のV2は逃しましたが日本を代表する女優のひとりに成長しました。

もっぱらTVBSあるいはCS)での鑑賞ですが、最近の日本映画には「ALWAYS三丁目の夕日」「フラガール」「THE有頂天ホテル」等々の感動を呼ぶ作品、面白い作品が多いですね(HDDの中にはまだいろいろ眠っているぞ(^^;))。一方で、ハリウッド発の超大作なるものには最近はすっかり食指が動かなくなりました。頑張れ日本映画!です(ならば映画館に行けってか?)

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コメント

見たい映画の一つですが、まだDVDも手に出来ていません。・・・子供の要求が先なので。
映画はぜひ映画館で見ましょう!
などと言っていますが、1月に2回連続で、これも子供たちの要求でチャップリンを見に映画館へ出掛けたのです。しかも、家にDVDがある作品を。
「なにもわざわざ映画館でなんか」
と内心では思いつつでかけましたが、スクリーンを前にすると、集中度がずっと違い、面白さが何倍にも増えました。ちょっとビックリの体験でしたが。

投稿: ken | 2008年2月17日 (日) 08時46分

kenさん、
そうですよね。映画を応援するのならば、やはり映画館で見たいものです・・・と、いいながら、最近では話題の新作も一年もすればTVで、しかも無料放映。更に、BSやCSではCF無しのNon-stop放映。鮮明なHi-Visionを大画面液晶で、録画も思いのまま、さらに飲み物、茶菓子付き、寝そべりながらとなると、ついつい安易なお茶の間館が中心となってしまいます。
最近の映画館体験はもっぱらMETのライブビューイングとなっています(^^;)。

投稿: YASU47 | 2008年2月17日 (日) 17時29分

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