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2007年9月 8日 (土)

巨星堕ちる 『ルチアーノ・パヴァロッティ』

昨日、96日にテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティ氏がイタリア、モデナの自宅にて死去しました(享年71歳)。70907pavarotti_2

パヴァロッティといえば引退以前の約10年間はドミンゴ、カレーラスと共に3大テノールとして、あるいはPavarotti and Friendsとしてのコンサート活動を主としていましたが1980年代の全盛期はNYのメトロポリタンとミラノ・スカラ座が活躍の中心でした。手元には当時を偲ばせる以下の映像作品がありました。

・ヴェルディ「仮面舞踏会」1980メトロポリタン歌劇場

・ドニゼッティ「愛の妙薬」1981 メトロポリタン歌劇場

・ヴェルディ「リゴレット」1982 VPO/映画版

・プッチーニ「ラ・ボエーム」1988サンフランシスコ歌劇場

・ヴェルディ「ドン・カルロ」1992 ミラノ・スカラ座

どれも伸びやかで明るい絶頂期のパヴァロッティの声を堪能することが出来ます。決して上手とはいえない演技力も持ち前のキャラクターと圧倒的な存在感でもって凌駕しています。実は楽譜が苦手らしいという噂もその歌唱のまえではかえって微笑ましいエピソードです(同じく楽譜の読めない自分としては親近感を感じます(^^;))。あまりにもイタリア作品に偏ったレパートリーもパヴァロッティならば許されてしまいます。私自身は決してパヴァロッティの熱心なファンとは言えませんが、それでもこれらの作品での圧倒的な歌唱にはただ聴き惚れるだけです。しかし、年令と共にオペラの舞台から遠去かるのはやむを得ないとしても(興業的理由が主かもしれませんが)、コンサート歌手としてのパヴァロッティにはもはや何の魅力も感じることは出来ませんでした。

上に挙げた映像盤はその全てが名盤と言えます。フレーニ、グルベローヴァ、リッチャレエルリ等の一世を風靡したプリマ達との共演も聴きものです。今夜は追悼盤として「ラ・ボエーム」を選びました。伸びのあるパヴァロッティの声が甘いプッチーニ節を更に引き立てます。年令を感じさせない天性のミミ役、フレーニも素晴らしく、伝統に根ざした良き時代の舞台を堪能させてくれます。

後継者にはM・アルバレスをはじめとして多くの魅力的なテノールの名前が挙げられていますが、パヴァロッティこそは不世出、かつ圧倒的な存在としてその名をオペラ界に留めるでしょう。まさに「巨星堕ちる」です。

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コメント

おはようございます。

巨星堕ちる

まさにそのとおりです。
ニュースを聞いたとき、ショックで言葉が出ませんでした。
あの憎めないようなキャラクターと太陽のような曇りのない声がもう聞くことができないと思いますと残念でなりません。

私もラ・ボエームを挙げます

投稿: おぺきち | 2007年9月 8日 (土) 05時39分

映像、録音でしか出会えませんでしたが、ほんとに魅力的でした。記事中の映像、私も全部見ました。加えて、メトロポリタン歌劇場の「トロヴァトーレ」「エルナーニ」も大好きです。

>持ち前のキャラクターと圧倒的な存在感
すばらしい歌はもちろんですが、引きつけられるのは、これが大きいと思います。

>あまりにもイタリア作品に偏ったレパートリー
レパートリーの広さを誇る、これは、別の言い方をすれば、何でも歌いますに陥って器用貧乏的になってしまうことも少なくないと感じますので、意図してそうだったのかどうかは知りませんが、私としては、これも非常に好ましい印象を持っています。国際的に活躍し、世界のパヴァロッティでしたが、三大テノールなどと持ち上げられないころのイタリアのイタリア人オペラ歌手らしさが好きです。

投稿: edc | 2007年9月 8日 (土) 07時57分

パヴァロッティさんのご冥福をお祈りいたします。

現代の歌手の中では本当に異彩を放っていた人ですよね。
僕も晩年の声にはあまり魅力を感じませんでしたが、オペラが一般的とは言えない日本においてその親しみやすさは賞賛されるべきかなとは思います。

これからのオペラ界がどうなっていくのか楽しみです。

投稿: こだま | 2007年9月 8日 (土) 09時15分

おぺきちさん、コメント&TBをありがとうございました。
パヴァロッティの死はひとつの時代の終わりを告げるものなのでしょうね。しばらくは優秀だけど小粒な現代テノールたちの時代が続きそうです。パヴァロッティはいなくなっても彼の多くの録音や映像がその存在の大きさを伝えてくれるでしょう。

投稿: YASU47 | 2007年9月 8日 (土) 11時45分

edcさん、
今日は(真昼間から)追悼第2弾として、METの「愛妙」を観ています。一生懸命にユーモア溢れる仕草を演じる大柄な姿が微笑ましいです(相方のJ・ブレーゲンもとても可愛く魅力的♪)。確かに、edcさんが言われるように、イタリア作品こそが彼の魅力を全開させて僕らを楽しませてくれますよね。

投稿: YASU47 | 2007年9月 8日 (土) 12時04分

こだまさん、こんにちは。
>これからのオペラ界がどうなっていくのか楽しみです。
巨星なきこれからのオペラ界には興味が湧きますね。ドイツ作品ではますます映像や演劇性を意識した演出と歌手たちが中心になっていくのでしょうね。イタリアはベルカントの伝統を集団で守っていくのでしょうか。

投稿: YASU47 | 2007年9月 8日 (土) 12時11分

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パバロッティの訃報・・・友達からのメールで知りました。 ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti)は、イタリアのリリック・テノールの歌手で、ドニゼッティの『連隊の娘』に出演し、トニオ役でハイ-C(高い「ハ」音)を9回も歌い聴衆を熱狂させた伝説の人で、 ...... [続きを読む]

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お悔やみ申し上げます。 [続きを読む]

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» リンク:パヴァロッティ(パバロッティ)死去関連 [Ken]
The New York Times webはいち早く長文の追悼記事を掲載しました。その最初の部分を引用するとともに、昨日19時までの新聞社ネット上の掲載状況を記録しておきました。 また、最初に出たロ [続きを読む]

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