(続)八千代・9条の会『2周年記念行事』
今日は「八千代・9条の会」の2周年記念行事が行われました(「9条の会」についてはすでに何度か紹介していますので省略します)。雨にも拘らず140名の市民が集まりました。内容は映画「戦争をしない国」の上映と岩橋弁護士による「改憲手続き法案とは」という学習講演でした。
映画「戦争をしない国」は、憲法第9条「戦争の放棄」が戦後60年にわたって戦争への直接参加を阻む抑止力として働き、平和を望む国民によって守られてきたという歴史を描いたドキュメンタリーです。 当事は小学生ながら、社会が騒然としていたという記憶が残る60年安保闘争、自分自身が政治の渦に巻き込まれたベトナム反戦と70年安保闘争等々の諸場面がフィルム上に甦ってくると、その時代毎の国民たちが身体を張って守り抜いてきた平和憲法の崇高な価値というものを改めて思い知らされます。
岩橋弁護士による講演は今、国会にて継続審議されている「国民投票法案」の問題点を判りやすく説明したものでした。余程、ニュースや新聞を注目しないと議論の焦点がどこにあるのか見えにくい提案となっており、理解のために良い機会となりました。ここで、主なポイントだけを列挙してみましょう。
(1) 過半数の定義
現憲法(96条)では憲法の改正は「国民投票において過半数の賛成を必要とする」との定めがありますが具体的方法は規定されていません。国民の絶対過半数なのか、投票数の過半数なのか、有効投票数の過半数なのかが焦点です。自民党案では最低投票率の制限もないため、例えば、40%の有効投票率の場合、国民の20%の賛成でも憲法が改定されてしまいます。このような重要な直接選挙の場合は最低限でも最低投票率の規定はあってもしかるべきではないでしょうか。
(2) 一括投票か個別投票か
国民の意志が適切に反映されるためには項目毎の個別投票が必要ですが、自民党の提案は「関連する事項は一括」となっています。
(3) 有料広告
投票日の一定の期日までは自由との自民党案です。これでは金で世論操作が可能となってしまいます。
他にも無料広告、広報協議会、公務員及び教育者の運動規制といった項目で改憲側に都合の良い提案がなされています。自分自身も含めて、国会への注目と監視を怠ってはならないことを改めて認識しました。
さて、ついにイラクへの自衛隊派遣という事態を許してしまいましたが、それを追認し、固定・拡大しようというのが、今回の憲法改定の狙いであることには論を待ちません。自民党の改憲案では、『自衛軍は(「軍」ですよ!)、国際社会の平和及び安全の確保のために国際的に協調して行われる活動を行うことが出来る』と明記しています。すなわち、国連の決議がなくとも、今回のイラクのように米軍の同盟軍としての戦争参加を可能にするのです。米国は第2次大戦後もベトナム、中米、ソマリア、イラクをはじめとして60以上の国に対して戦争あるいは軍事介入をしてきました。こんな好戦的な国と同盟の契りを深めようというのですから危険なことこの上もありません。
自民党案では第9条のタイトルを「戦争の放棄」から「安全保障」に変更しています。真の安全保障とは何かをじっくりと考えてみたいと思います。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント