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2007年2月25日 (日)

八千代・9条の会『2周年記念行事』

千葉県八千代市の「9条の会」についてはこれまでも何度か紹介してきました(ココココ)。今回は発足2周年記念行事のお知らせです。

     日時 : 3月25日(日) 開場13時、開始13時

     会場 : 八千代市東南公共センター5階ホール

     内容 : 映画「戦争をしない国」と講演「改憲手続き法案とは」(岩橋弁護士)

     参加費 : 500円

     主催 : 八千代・9条の会(問合せ先 047-450-3452

早くも瀕死状態とはいえ、安倍政権は5月3日までに「改憲手続き法案」を成立させるとの意志を表明しています。この法案に込められた狙いは平和憲法の改悪へ向けた極めて危険なものだと考えます。

米国は自ら招いたイラク・中東への泥沼に足を取られる一方でアジアから一定程度の撤退を画策しています。6カ国協議における米国の姿勢や韓国軍統帥権の韓国への引渡し計画等はあきらかにそれを裏付けるものと言えます。一方で昨年の北朝鮮による核実験や解決しない拉致問題、竹島を巡る韓国との緊張などで国内にはこれまでないナショナリズムの高まりが感じられます。端的に言うならば、このナショナリズムに乗じた形で一気に憲法改悪、そして再軍備による我が国自身による安全保障確立というのが改憲派の狙いではないでしょうか。同時に中東やその他の海外において集団的自衛権を発動することにより米国と新たな同盟関係を構築するという一石二鳥です。私たちは内なるナショナリズムとの戦いも試されているのではないでしょうか。70226_1

「八千代・9条の会」も発足2年を迎え、550名強の会員を有しています。定期的なニュースの発行(No.23が最新)、駅頭での宣伝・署名活動などを通して地道な活動を継続しています。ひとりでも多くの市民が参加してくれることを願ってやみません。

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2007年2月19日 (月)

グラインドボーン音楽祭『コジ・ファン・トゥッテ』

先日のNHK BS Hi-Vision2006年グラインドボーン音楽祭の『コジ・ファン・トゥッテ』が放映されました。昨年、各地で上演されたモーツァルト生誕250周年記念イベントのひとつです。先日のザルツブルグ記事に続いて「またか」と言われそうですが、ブログ名に本作品タイトルを拝借している以上は見ない訳にはいきません(^^;)

さて、結論から言うならば、とても楽しめた上演映像でした(演出はN・ハイトナー)。70218cosi2 舞台は明るく、場面の切り替えもスピーディです。アンサンブル・オペラに相応しく、とても計算された間合いとコミカルで洗練された演技によって飽きさせることがありません。引き締まったピリオド演奏はとりわけ「フィガロ」や「コジ」のように軽妙さと敏捷さを要求されるような音楽作品にはとても良く似合います。これらのモーツァルト作品のイギリスやフランスでの昨今の上演にはむしろピリオド演奏が主流なのでしょうか。I・フィッシャー指揮によるエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団も序曲から最後に至るまで弛緩することなくメリハリの効いた小気味の良い演奏を聴かせてくれます。

出演者に大物はいませんが不満は感じません。フィオルディリージのミア・ペションはスェーデン出身とのことです(北欧にしては小柄ですが、顔つきは納得)。大向こうを唸らせるような迫力と声質ではありませんが揺れ動くヒロインを好演していました。ドラベッラのアンケ・フォンドゥングはちょっとオバサンぽくなった(^^;)ソフィー・コッシュといったところですが決して悪くはありません。二人の士官にはイケメン歌手たち(T・レティプー、L・ピサローニ)が配されています。

この作品は最後の締めくくり方次第で後味が変わります。その点で、この演出は渋々ながら元の鞘に収まるカップルに含みを持たせて会場の笑い(失笑)を誘うことで後味の良さを残します。このテはガードナー/シャトレ座でも使われていました。

「コジ」の映像も溜まってきました。下に5段階評価付きで列挙してみました。全くの個人的嗜好(自分のブログでしか出来ない(^^;))に基づいた素人評価なのでご不満な方には予めお詫びしておきます。(リストは左から指揮者/演出/劇場/フィオルディリージ/ドラベッラ/上演年の順です。)

評価基準は、(1)引き締まった演奏、(2)アンサンブル重視の演出、(3)美しい重唱、(4)明るく洒落た舞台、(5)美しい姉妹、(6)品格(スワップ物語だけど)、(7)デスピーナの出来、(8)士官たちの見栄え、(8)アルフォンソが老人すぎないこと、(9)理屈っぽくないこと、そして、(10)モーツァルトを聴く歓びを与えてくれること・・・です。

☆☆☆☆☆

ガードナー/シャトレ座/ルークロフト/マニオン(1995

☆☆☆☆

アーノンクール/ポネル/VPO/グルベローヴァ/ジーグラー(1988

アーノンクール/フリム/チューリッヒ/バルトリ/ニキテアヌ(2001

フィッシャー/ハイトナー/グラインドボーン音楽祭/ペション/フォンドゥング(2006)

☆☆☆

ホーネック/ヘルマン/ザルツブルグ音楽祭/マルチネス/コッシュ(2006

ムーティ/ハンペ/スカラ座/デッシー/ジーグラー(1989

☆☆

ハーディング/シェロー/エクサン・プロヴァンス音楽祭/ウォール/ガランチャ(2005

プリッチャード/スラック/グラインドボーン音楽祭/ドーセ/リンデンストランド(1975

スミス/P・セラーズ/ウィーンSO/ラーソン/フェルティ(1991

バレンボイム/デリエ/ベルリン国立/レシュマン/カンマーローア(2002

ちなみに、寸評は以下のページに記載しています。

http://www.d1.dion.ne.jp/~kawaiys/sub39.htm

やっぱり演奏と姉妹の美しさが大きな要素です・・・「おじさんは皆こうしたもの♪」ですから(^^;)

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2007年2月 7日 (水)

映画・『ダーウィンの悪夢』

映画「ダーウィンの悪魔」を見ました。「一匹の魚から始まる悪夢のグローバリゼーション」という刺激的な宣伝コピーとは若干趣が異なり、人々へのインタビューと風景映像が淡々と重なるドキュメンタリーです。しかし、惨状への押し付けがましい口調は無くとも、ありのままの描写とインタビューを通じて製作者の意図が十分に伝わってくる映画でした。70206darwin2

アフリカ、タンザニアのヴィクトリア湖(世界で2番目に広い淡水湖)、そこで1950年代にささいな試みによって放流された肉食魚のナイルパーチがそれまで生息していた既存種を駆逐しながら繁殖し、湖を取り巻く環境は一変しました。大量に捕獲されるナイルパーチの漁業と加工業に職を求めて人々が内陸部から集まり、やがてその切り身がヨーロッパに空輸されることにより町はますます発展していきました。しかし、その一方で・・・。

詳しくは直接劇場に足を運ぶか本作品の公式サイトをご覧になって下さい。

自分にとって最も印象的な映像はナイルパーチの切り身が毎日数トン、ヨーロッパ、更には日本へと空輸される一方で捨てられる頭部と骨の残骸の山、そして、それに群がる人々・・・。通常の貧困や衛生といった概念ではとても説明のつかない映像には衝撃を受けました。

この魚はスズキに似ていることから(はるかに巨大ですが)、日本では「白スズキ」としてファミリーレストランや給食の白身魚フライに多く使われているとのことです。私たちが何気なく食している魚フライの裏にある遠い異国での現実とドラマの存在には改めて愕然とせざるをえません。

アフリカにおける開発事例をもうひとつ・・・。これは日本企業に関わる具体例です。

今年の1月24日、スイスで開催されたダボス会議(世界経済フォーラム)に合わせ、NGOFoEスイス」とNGOBerne Declaration」は日本の大手タイヤメーカー「ブリヂストン」を『最も無責任な企業』に選びました。ブリヂストンは子会社のFirestone社を通じて経営する西アフリカ、リベリアのゴム農園において80年もの間、劣悪な環境で労働者を働かせ、児童労働を含む人権侵害や環境破壊を引き起こしているというものです(要約はココ)。

ブリヂストンといえば日本を代表する大企業であり、そのホームページでは環境保護を会社理念のひとつとして美しい言葉で謳い上げています(ココ)。リベリアのゴム農園問題についてはFirestone社は事実として認めていないということですので一方的な断定は避けねばなりませんが、企業にとっての倫理を含むCSRCorporate Social Responsibility)とは何かということを改めて問われる事例だと思います。企業に身を置く一私人としての自分自身を振り返るも、解決策は未だ見つけられません。

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2007年2月 4日 (日)

コルンゴルド・『死の都』

昨年は生誕250年のモーツァルトに明け暮れた一年間でした。今年はぐっと地味にエーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルド(1897-1957)の生誕110年かつ没後50周年です(このことは別のblogで知りました)。

私にとって最初のコルンゴルド体験といえば、数年前にBSで放映された歌劇『死の都』での衝撃です。70204korngold この現代感覚とロマン的情緒に満ち溢れた音楽はコルンゴルド19歳の時の作品というから驚きです。R・シュトラウスの技法とマーラーの官能、更に私事したツェムリンスキーの情緒がミックスしたような実に耽美的な音楽です。

2001年、ストラスブール歌劇場での映像は、妻を失い半ば狂気に陥っている主人公パウルを演じるT・ケルル(T)と、亡くなった妻マリーに瓜二つの踊り子マリエッタを演じるA・デノケ(S)の歌唱が実に素晴らしいのです。オリジナルでは正気に目覚めたパウルがラストに再生するというハッピーエンドとのことですが、この演出ではそれが果たされない悲劇となっています。舞台美術も見事であり、台本もしっかりしているので一層の感銘を受けることが出来ます。

この作品の舞台となっているのは運河の街としても有名なベルギーのブリュージュです。劇の中では歴史に重く沈んでいるこの街の夜をパウルが徘徊することになっています。アムステルダムを小さくしたような街なのでしょうか?

さて、コルンゴルドといえば、この「死の都(Op.12)」大成功の前後に至るまでは神童としてウィーンで大いにもてはやされていました。しかし、その後、オペラの衰退を見越したコルンゴルドはハリウッドに招かれて映画音楽の世界に入り、オスカーを2度受賞するなどの活躍を続けました。その間、ヴァイオリン協奏曲(Op.35)チェロ協奏曲(Op.37)などを発表しています。映画音楽で使われた曲などを再利用しながらとても情緒的かつ効果的な作品となっています。

戦後にはウィーンへ帰還し、再度クラシック界への復帰を図りましたが、ヨーロッパではすでに忘れられていた作曲家であり、不成功のまま失意のうちにロス・アンジェルスに戻りその生涯を終えました。

しかし、その死後20年ほど経てから再度コルンゴルドの音楽見直しの機運が高まってきたと言えます。ヨーロッパでは「死の都」は今では主要なレパートリーとなっていますし、管弦楽作品の録音も増えています。今年の生誕&没後記念でそれに弾みがつくことを期待したいものです。

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