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2007年1月 7日 (日)

ザルツブルヅ音楽祭『コジ・ファン・トゥッテ』

2006年ザルツブルグ音楽祭の映像DVDM22シリーズ)のレビュー第2弾です。70107cosi 前に書いた『ドン・ジョヴァンニ』と同様に年代設定不明のシンプルな舞台演出ですがこちらの方がはるかに好感を持つことが出来ました。「ジョヴァンニ」では意味不明で余計な演出があまりにも多すぎました。この「コジ」では姉妹が最初から男共の目論見を知っていたという想定ですが、そのことをあまり深く考える必要はないでしょう。この作品では物語についてあれやこれやと考えるのではなく、ただひたすらモーツァルトの音楽に浸るのが「勝ち♪」です。これほど心の琴線に触れてくる美しいアリア、二重唱、三重唱、四重唱が満載の作品が他にあるでしょうか? 

舞台は全編を通じて明るく、一部、意味不明のオブジェクト(恐竜の卵?)もありましたが特に音楽に邪魔にはなりません。舞台上にレチタティーヴォ用のチェンバロを常に配置して演出の一部としていたのは面白い試みでした。全体的にとてもシンプルですが、もともと、この作品に豪華なセットや重い舞台衣装は似合いません。

M・ホーネック指揮によるウィーンフィルは美しく響き、ベテランと若手を組み合わせた配役にも満足です。とりわけ、フレンチ・メゾソプラノのSophie Koch(ソフィー・コッシュ、アルザス出身でドイツ語圏での活躍も多く、ゾフィー・コッホと表現されることが多い)を初めて聴きましたが、歌唱、舞台姿共にとても魅力的です。メゾというと最近ではエリーナ・ガランチャの人気が急上昇しているようですが(mixiにコミュまであるし(^^;))、これからはこの二人が人気を競うのでしょうか?

さて、これで「コジ」の映像盤も8枚目になりました。かのベートーヴェンは台本の不謹慎さゆえにこの作品を忌み嫌い、19世紀には殆んど日の目を見なかったとのことですが、このblogタイトル名もそこから拝借しているように、僕の最もお気に入りの作品なのです。新国立やヨーロッパ等での舞台も何度か楽しみました。映像盤の寸評は下のHPに載せていますので興味のある方はどうぞ。

http://www.d1.dion.ne.jp/~kawaiys/sub39.htm

やはり美しい姉妹に惹かれますね・・・「おじさんは皆こうしたもの♪」です(^^;)

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コメント

懐が厳しいので、こちらで中々購入に至らず
こちらで内容がわかり嬉しい限りです。

コジは観る機会が少なく、余りコメントも出来ませんがこちらかって見たいと思います

投稿: おぺきち | 2007年1月10日 (水) 16時18分

おぺきちさん、
う~む、購入のご参考にされるとなると責任を感じてしまうなぁ・・・。私の印象や感想はあくまでも主観的なもので、必ずしも的を得ているとは限りませんのご注意を。でも一般にも、M22シリーズに関しては「ジョヴァンニ」は低評価、「コジ」はまぁまぁのようですね。私の一番のお気に入りの「コジ」はガードナー/パリ・シャトレ座のものなのです(音楽が引き締まっている、姉妹が美人(^^;)で歌唱力、演技力に優れる、スピーディでユーモアに溢れた演出)。でも、専門家によると必ずしも高い評価ではないようです。尚、M22もシャトレ座も字幕は英語です。

投稿: YASU47 | 2007年1月10日 (水) 23時50分

YASU47さん、こんにちは。
コメントとTB、ありがとうございます。私のほうからもTBしましたので、よろしくお願いします。

>私の一番のお気に入りの「コジ」はガードナー/パリ・シャトレ座のもの
同様です。姉妹とそれぞれの恋人がとても様になっていますね。簡単な記事ですが、こちらもTBします。

投稿: edc | 2008年12月22日 (月) 20時33分

edcさん、
ガードナー・シャトレ座はこの作品の命ともいうべき活き活きとしたアンサンブルが心地良くて大好きなのです。
ん?TBが届いていないようです。もう一度お試し下さい。

投稿: YASU47 | 2008年12月22日 (月) 22時19分

YASU47さん
TB、なぜか送信できないようです。
ザルツブルグの記事はアドレスに、
シャトレ座の記事は下にリンクします。
http://euridiceneeds.blog.so-net.ne.jp/2006-02-05

投稿: edc | 2008年12月23日 (火) 13時30分

edcさん、
お手数をかけて申し訳ありません。TBは常時受付状態になっていることを再確認したのですが・・・。原因不明です。
このシャトレ盤は視覚、聴覚の双方を十分に満足させてくれますよね。僕にとっても今だにベスト盤です。

投稿: YASU47 | 2008年12月23日 (火) 22時14分

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