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2006年11月25日 (土)

溢れ出る混沌・『大竹伸朗・全景』展

このところ自分の中で、目に入るものは何でもアートに見えてくるという珍(?)現象が起こっています。スーパーの店先に積まれたミカンの山、鈍く輝くアジの背びれの並び、とてもセンスがあるとは思えない路線バスのボディー模様、色落ちした看板、警戒する野良猫の眼、道路標識、・・・。

これはどうやら、今、東京都現代美術館で開催されている『大竹伸朗・全景1955-2006』展の影響によるものらしいです。現代美術には全く疎い自分が偶然立ち寄った木場の美術館で出会ったのはこの作者による膨大かつ雑多なコレクションでした。61105a

大竹伸朗、1955年生まれの現代アーチストです。ありとあらゆる手法と雑多な材料を通じて、絵画、絵本、デザイン、音楽、写真、文章といった分野を問わない多岐にわたる表現が2000点を超える作品として展示されています。とにかくジャンルを越えた作品の広がりと膨大な量に圧倒されます。雑多、混沌といった印象と同時に冒頭に述べたように「目に入るものは全てアートたりうる」という貪欲なパワーを感じとることが出来ます。

今月23日の朝日新聞文化欄にもこの展示会の特集記事が掲載されており、「ゴミあさりの天才」「20世紀通史の廃墟」といった誉め言葉(なのか?)が並んでいました。

『大竹伸朗・全景1955-2006』展は1224日まで江東区の東京都現代美術館にて開催中です。都会生活と見慣れた風景への倦怠感を打ち破りたいと思う方にはお薦め・・・かな?

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2006年11月19日 (日)

『のだめ』の影響

月9ドラマ『のだめカンタービレ』の人気が高いとのことです。クラシック音楽を話題にしているあちこちのblogでも概ね好評のようです。そういう僕も、原作のコミックには目を通していないのですが、これまでの5回をきっちりと楽しんでいます(^^;)61119cd 「音と楽器の動きが合っていない」とか「練習シーンでも本物の音源を使っていて不自然」とかいう批判もありますが、ドラマを楽しむ上では全くの余計なお世話です。このドラマは単純に楽しむが「勝ち」です。

さて、この「のだめ」が自分に与えた影響はかなり大です。この数年はもっぱら声楽とオペラにハマっていましたが、棚に眠っていたピアノや管弦楽曲のCDを取り出してみる気にさせてくれたのです。これまでの5回に主題として採り上げられた曲について棚から取り出して再度聴きなおしてみた演奏は以下です(これら以外にも多くの名曲が短く用いられていますがキリがないので省略)。

改めて聴くこれらの楽曲の何と新鮮であったこと!

モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ

* M・アルゲリッチ(P/A・ラビノヴィッチ(P

ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第5番「春」

     O・コーガン(V)/S・リヒテル(P)

     G・クレーメル(V)/ M・アルゲリッチ(P

ベートーヴェン 交響曲第7番

* C・クライバー/VPO

* C・アバド/VPO

* 小澤/サイトウキネン

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー

* J・レヴァイン(指揮とピアノ)/CSO

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

* C・リカド(P)/C・アバド/CSO

ここに挙げた演奏はCD盤ですが(最近はもっぱら「声」が中心なので増えていません)、実はクラシックを聴き始めた頃から集めていた数百枚のLP盤がありました。CDの登場と共に次第に聴く機会は少なくなり、ついには全てを処分してしまいましたが、その中では、当時の演奏技術と録音技術の粋を示したショルティ/CSOによるベト7やジャズの心情のこもったバーンスタイン/NPOによるラプソディ・イン・ブルーなどが今でも記憶に残っています。

いやぁ・・・しばらくの間、頭の中ではタイトルにも使われている「ベト7」が鳴っていましたし、この一週間はラフマニノフがちょっとした拍子に鳴り出しました(^^;)。来週は何を聴くことになるのでしょうか?上野樹里さんもとても可愛いし・・・楽しみです♪

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2006年11月11日 (土)

BEHIND THE MASK・・・サラ・ブライトマン

CATV240CH(ムービープラスHD)で『オペラ座の怪人・Behind the Mask』という番組を放映していました。所謂、メイキングビデオで、昨年公開された映画『オペラ座の怪人』を当チャンネルで数度にわたって放映するのに合わせて公開したものです。61111sarah

1時間強の番組は作曲者のアンドリュー・ロイドウェバー(ALW)、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュたちのインタビューを中心にウェストエンド・ミュージカル『オペラ座の怪人』が如何にして出来上がったかというドキュメンタリーです。そして、何といっても興味深かったのが初代クリスチーヌ役のサラ・ブライトマンの映像です。

このミュージカルが当時のALWのパートナー、サラ・ブライトマンの存在があってこその作品であったことは番組内でも証言されており、試作段階でのサラの貴重な歌唱シーンが何度か登場します。また、劇場公開に合わせて作成された数種類のプロモーションビデオの一部も紹介されていますが、これらはかって国内でもLDで発売された「ロイドウェバー・コレクション」に収録されています(この素晴らしい映像集が何故DVD化されないのか不思議です)。これらの映像でのサラは美しい容姿と声でもって観る者を魅了します。「キャッツ」のジェミマ役でデビューし、ALWとの結婚、怪人でのヒロイン役とロンドンミュージカルの頂点に立っていた1980年代のサラは実に輝いていました。

その後、サラはALWとの離婚(音楽的パートナーとしての関係は維持されているようですが)、ウェストエンド舞台からの決別を経て、1997年の突然の「Time to Say Goodbye」の大ヒットにより再び脚光を浴びる世界に戻ってきました。しかし、年令のみならず、病的な激太りの影響もあってか、かっての面影はありません。クラシックやコンテンポラリーとの融合という新しいレパートリーに挑戦を続けており、その美声に魅せられた多くの新しいファンを獲得しましたが、ミュージカル女優・歌手としてのサラに思い入れを持つ者にとっては心から馴染むことは出来ません。サラ・ブライトマンにはやはりウェストエンドが似合います。

尚、下の拙HP(本館)にて私の所有するサラの映像、CDについて紹介しています(この数年間、更新していませんが(^^;))。ご興味があればお立ち寄り下さい。

http://www.d1.dion.ne.jp/~kawaiys/sub26.htm

また、「Behind the Mask」は11/2811/29CS240で再放映されます。

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2006年11月 3日 (金)

Nifty18周年

@Niftyから入会18周年の通知が来ました。これ・・・って、かなり古くない?

前にも書きましたが、当時はパソコン通信の黎明期で、多くの好奇心旺盛な物好きたちが集まりつつありました。Nifty(富士通系)とPC-Van(NEC系)の2大PC通信ネットが凌ぎを削りあい、会員規模は全国で5-10万人になろうという時代でした。

PCはようやく8Bitから16bit、やがて32bitが登場しMS-DOSの普及が開始された頃です。未だWINDOWSもインターネットも存在せず、MACの画期的なMan-Machine InterfaceとPC通信がそれらへの前史となっていました。

PC通信の中心はフォーラムと呼ばれる同好サークルです。僕の場合は、FINTCUL(後のFWORLD)を中心にFCIVIL、FDESIGN、FCHEMICALなどに顔を出しながら、その他の多くのフォーラムをROMって(これも古い!)いました。後半からはFWORLDのロシアフォーラムを拠点としていました。

家でのMAC LC475に加えて、電話回線さえあればどこでも通信が出来るようにモデムを装着したWBN(5行のワープロ)を持ち歩きました。モバイル通信のはしりですね。頻繁だったのがフォーラムのRT会議とOff-Lineです。RTとはReal Timeの略で、いわゆるチャットです。深夜になると常連たちの夜な夜なのお喋りが始まります。RTではUST、SEND、PROF、PAGEといった怪しげなコマンドが飛び交いました。ホイミ、ギラ、ラリホー、リレミトなどと同様に実社会では全く役に立たない代物です。当時のフォーラム仲間たちとは今でも交流があります。

今ではブログの女王、眞鍋かをりさんがネット界に大きな役割を果たしていますが、当時は「ちばれい」こと千葉麗子さんPC雑誌やゲーム雑誌の表紙を飾っていました。TVでは準主役級でしたが元祖電脳アイドルの主役でした。早くに引退し、今ではIT企業の代表を務めると共にヨーガのインストラクターとして活躍されているようです。

そんな1980-1990年代を経て、いつの間にやらNifty Serveは消滅して@Niftyという巨大なプロバイダーが取って代わり、Yahoo、Google、YouTubeといった新しいメディアが続々と誕生しています。

まだしばらくはネット世界を漂うことになりそうです。

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