溢れ出る混沌・『大竹伸朗・全景』展
このところ自分の中で、目に入るものは何でもアートに見えてくるという珍(?)現象が起こっています。スーパーの店先に積まれたミカンの山、鈍く輝くアジの背びれの並び、とてもセンスがあるとは思えない路線バスのボディー模様、色落ちした看板、警戒する野良猫の眼、道路標識、・・・。
これはどうやら、今、東京都現代美術館で開催されている『大竹伸朗・全景1955-2006』展の影響によるものらしいです。現代美術には全く疎い自分が偶然立ち寄った木場の美術館で出会ったのはこの作者による膨大かつ雑多なコレクションでした。
大竹伸朗、1955年生まれの現代アーチストです。ありとあらゆる手法と雑多な材料を通じて、絵画、絵本、デザイン、音楽、写真、文章といった分野を問わない多岐にわたる表現が2000点を超える作品として展示されています。とにかくジャンルを越えた作品の広がりと膨大な量に圧倒されます。雑多、混沌といった印象と同時に冒頭に述べたように「目に入るものは全てアートたりうる」という貪欲なパワーを感じとることが出来ます。
今月23日の朝日新聞文化欄にもこの展示会の特集記事が掲載されており、「ゴミあさりの天才」「20世紀通史の廃墟」といった誉め言葉(なのか?)が並んでいました。
『大竹伸朗・全景1955-2006』展は12月24日まで江東区の東京都現代美術館にて開催中です。都会生活と見慣れた風景への倦怠感を打ち破りたいと思う方にはお薦め・・・かな?
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント