« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »

2006年4月23日 (日)

危険な海上ゲーム(その2)

竹島を巡る政府間交渉がひとまず合意し、最悪の事態を免れることが出来たことは何よりです。それにしても、今回の出来事で双方はどのような教訓を得ることが出来たのでしょうか?領土や国境問題が一方的な思い入れでは決して解決しないことを学んだのならば善しとしましょう。政治ゲームによりお互いに相手の反応を学んだこともまだ許されるものとしましょう。

懸念されるのは自国民のナショナリズムを煽ることで排他的な国家主義の傾向が両国で強まってしまったことです。今回は、「日本国民である」という立場だけで「竹島は日本の領土である」という前提に立脚したTV報道が目に付きました。他国の意志や想いを否定することが愛国心であるような錯覚が蔓延していたように思います。

この問題の解決にはいつの日か、国境や排他的水域といったものが不要となる時までじっと気長に待つことしかないようです。すでにヨーロッパでは多くの国が国境を廃しています。EUの万事が理想的という訳ではありませんが、そこに将来への知恵と希望を見出すことは出来ます。関税障壁の撤廃やFree Trade Zoneの拡大といった経済活動が政治に先行していることも期待のひとつです。排他的なナショナリズムがこれらの動きにブレーキをかけないことを願うばかりです。愛国精神の発揮は来るべきW杯でのナショナルチームの応援に限りたいものです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年4月20日 (木)

危険な海上ゲーム

平和であるべき海で危険なゲームが行なわれています。日韓双方が領有権を主張している竹島(独島)海域を巡って、今回、日本側が仕掛けた行動は同島を実効支配している韓国側からみれば挑発行為と受け取られても止むを得ないと思われます。今、この時点で韓国側の猛反発が容易に予想される行動を何故、敢えて行なわなければならないのか理解に苦しみます。6月にドイツで開催される海洋会議への資料提出のためという技術理由を掲げていますが、実態は韓国側の反応を探るための「政治挑発行動」の一環と受け取られても仕方がないでしょう。60420takeshima_1

そもそも、竹島(独島)がどちらの国に帰属すべきなのかということを声高に主張しあっても解決には至りません。幾らこの島に関する歴史を紐解いたところで状況を変えることは出来ないでしょう。世界のそこら中に点在する国境紛争、領有権紛争のひとつであり、国家や民族の問題を解決出来ない現時点での人類の知恵の限界の好例とも言えます。ナショナリズムと力関係でもって一方的に利益を図ろうという発想に立つ限り解決はありえません。ましてや、日本が拠り所の一つとしている1905年の島根県への編入は1910年の日韓併合の前夜であり、韓国にとっては屈辱の歴史への第一歩だったのです。

今回の強引ともいえる挑発行動にはどのような政治的意図があったのでしょうか?(ましてや、国民の多くが拉致問題での日韓の共同歩調を心情的に望んでいる時に)。今回の緊張で最大の利益を得るのは支持率が急落していたノ・ムヒョン大統領であることに疑いはありません。一方、日本側の目論見は将来的な地下資源の権益確保?紛争の国際化による仲裁(例えば国連による)の期待?しかし、それらは日韓友好関係のひび割れで失う不利益に比べて果たして割りに合うものなのでしょうか?

最も考えられる背景はナショナリズムの高揚による憲法改訂への布石です。自民党による新憲法草案では、前文で『日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支える責務を共有し・・・』、第12条では『常に公益および公の秩序に反しないよう自由を享受し、権利を行使する責務を負う』という文章を追加しています。すなわち、これまでの「国民主権」から「国家を国民の権利の上位に置いたもの」となっており、明確な国家主義(加えて、9条改訂による軍事力を保持)が読み取れます。本来、世界が向うべき国際協調と友好の路線とは反対にナショナリズムと排外主義へ向かおうとしています。政府がこのような危険なゲームを通じて国民のナショナリズムを煽ることに危機感を抱きます。

各国が政権の維持と自国の目先の利益のためにナショナリズムと排外主義に陥っているのが、とりわけアジアの状況です。この間、日韓共催のW杯、音楽や映画を通じた文化の相互浸透、ますます増加する人々の往来、深まる企業提携等を通じてやっと醸成されてきた信頼関係が今回の出来事で一挙に崩れてしまうことを恐れます。国家間の危険なゲームは双方の友好を願う国民を巻き込むことなく、一握りの政治家たちのみで行ってもらいたいものです。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月15日 (土)

「八千代9条の会」一周年記念集会

今日は地元の「八千代9条の会」の発足一周年記念集会に出かけてきました。500人ほど入る会場の8割かたは埋まっていましたので主催者の皆さんのご苦労も報われたことでしょう。予想通り年配者が中心でしたが、高校生も含めた若い世代もかなり参加しており、将来への希望を見ることが出来た思いです。

 

Kanda 女優、神田さち子さんの語りと中国残留婦人を扱った一人芝居「帰ってきたおばあさん」のハイライトシーンが上演されました。芝居はほんのさわりだけでしたが、それでも感動的で思わず涙してしまいました。右の写真は神田さんのウェブサイトから転用したものです。8月9日に東京での上演が予定されています(詳しくはウェブサイトへ)。

 

現代史研究家の山田敬男さんの講演は丁寧かつ歯切れの良い切り口でとてもためになりました。9条第2項の「交戦権の否定」が米国の世界戦略への追随に足枷となっており、イラク侵攻以降に改憲の動きが急速に高まってきたこと、日本の憲法は世界中の平和勢力から評価されている人類の財産であり、誇りを持って守るべきものであることなどが語られました。また、侵略や戦争の被害者への痛みに共感できる想像力と根源的正義への確信を持つことの出来る市民になろうという呼びかけには大いに勇気づけられました。

更に、9条のみならず、憲法を再学習することによって私達が持つ国民の権利そのものを学び直せることも再認識しました。実は、そのことこそ為政者の最も嫌うことかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月13日 (木)

HPへのポータル

本館ホームページ「海外プロジェクトと共に」を開始してから約7年が経過しました(更新はスローですが)。一方で今やブログ趨勢の時代となり、ともすればトラックバック機能の無いHPが置き去りにされています。

そこで、この記事はブログとHPを繋ぐ、言わばポータル(入り口)ページとして作成しました。このページからTBさせていただいた場合には、お手数ですが以下のリンクよりHPの関連ページに飛んでいただければ幸いです。

<海外関連記事>

アルジェリア/スキクダ
ロシア/トボルスク
ウズベキスタン/フェルガナ他
ドイツ/ヴィスバーデン他

<音楽関連記事>

クリスティーネ・シェーファー/ドイツ期待の知性派ソプラノ
パトリシア・プティボン/今が旬のキュートなフレンチソプラノ
オペラの映像(1)/ヴェルディとプッチーニ
オペラの映像(2)/モーツァルト、ロッシーニ、ドニゼッティ
オペラの映像(3)/その他の作曲家
サラ・ブライトマン/ウェストエンドのクリスタル・ヴォイス
リンダ・ロンシュタット/いつまでも成長を続けるアメリカの歌姫

余計な手間をおかけすることは誠に心苦しいのですが宜しくご理解の程お願い致します。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年4月 9日 (日)

映画「プロデューサーズ」

Producers_2 つい最近、住んでいるマンションから歩いて数分のところにシネコンプレックスが開業したので出かけてみました。ミュージカル映画の新作「プロデューサーズ」を封切り日に合わせて観てきたのです。この作品の謳い文句は「オペラ座の怪人とシカゴを超えた!」とのことです。ブロードウェイ舞台でのトニー賞の獲得数のことだそうですが、映画の出来栄えは残念ながらその両作品には遥かに及びません。

 

映画「オペラ座の怪人」は舞台と比較すると演出や物語展開に大きな不満が残るのですがロイド=ウェバーによる名曲の数々と音楽の説得性は映画でも不変です。映画「シカゴ」はアカデミー賞の最優秀作品賞を獲得しただけでなく、ゼルウィガーやゼタ=ジョーンズの怪演、ボブ・フォッシーの振付等、見所と聴き所が満載の極上のエンターテイメント映画となっています。

「プロデューサーズ」は1968年のメル・ブルックス監督のナンセンス・コメディをブロードウェイにて舞台化したものを再度映画化したもので、最初の映画と舞台との折衷的な作品となっています。1968年度版の映画も含めて「ナチ」を笑いの対象にする品のなさ(確かに思わず失笑してしまうが)とドタバタコメディ手法という底の浅さはブロードウェイではうけても記録と記憶に残る作品とはならないでしょう。

自分にとって、この数年の間の音楽映画作品としては上述した「シカゴ」が傑出しており、「ムーラン・ルージュ」も楽しむことが出来ました。カントリー・ファンとしては「ウォーク・ザ・ライン」も忘れることは出来ません。次は近日中に公開される「RENT」に期待です。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006年4月 2日 (日)

八千代9条の会 平和の集い

415日(土)に開催される「八千代9条の会 発足1周年平和の集い」の案内チラシが出来上がりましたので掲載します。9jou60415

場所は八千代市民会館、開始時間は午後1時半、参加費は500円、式次第は

(1)神田さちこさんによる一人芝居「帰ってきたおばあさん」 

(2)現代史研究家の山田敬男さんによる講演 

(3)地元八千代の音楽グループによるイベントです。

  

八千代市は東京通勤者のベッドタウンという特性もあり、なかなか市民運動の根付く地域とはいえません。ましてや、このような教宣活動もごく一部に限られており、憲法第9条を擁護しようという活動にとっては実に心もとない状態です。一方で、全国各地域で展開されているこの「9条の会」運動というのは、いかなる政党にも属せず、いかなる政党支持者に対しても開かれている、ごく普通の市民の立場で平和を求める緩やかな運動体です。

  

この八千代において、会の趣旨に賛同の方、興味を持たれた方はぜひ会場をお訪ね下さい。尚、事前に入場券等の入手希望がありましたらメールを戴けると幸いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »