アンナ・ネトレプコ(その2)
先にNHKで放映されたザルツブルグ音楽祭の「椿姫」プロダクションに関しては、演出とネトレプコの評価について賛否両論があるようです。僕自身はこのような斬新な舞台と出演者のパフォーマンスをとても楽しむことが出来ました。一見奇をてらったような演出にも見えますが、ドイツ・オーストリア系の劇場ではそれほど驚くにあたりませんし、またネトレプコがこうした革新を超えた商業主義的なプロダクションに取り込まれることも是とします。どこのレーベルもこのような逸材を放っておく訳がありませんよね。
その意味で、昨年のDVD「ザ・ウーマン、ザ・ヴォイス」によるオペラアリアのビデオクリップ化というロック界顔負けの初試みも、ネトレプコあってこそ実現したものでしょう。このアルバムは保守的なオペラ愛好家からは受け入れられることはないでしょうが、クラシック界からポップス界への新しい挑戦とも受け取ることが出来ます。単なるスター主義に躍らされるのではなく、先駆者としてのネトレプコを応援したいと思います。
理屈は別としても、DVD「ザ・ウーマン、ザ・ヴォイス」は見事な出来栄えです。ウィーン・フィルをバックにした贅沢な音作りと考え抜かれた演出による斬新な映像作りとなっています。とりわけ、「ファウスト(グノー)」、「ドン・ジョヴァンニ(モーツァルト)」、「夢遊病の女(ベルリーニ)」からの各アリアはビデオクリップとしても完璧な作品だと思います。ボーナスのインタビューでは気さくで現代的なネトレプコを知ることが出来ます。それにしても、シャラポワといい、ネトレプコといい、最近の国際的に活躍する若いロシア人女性たちは英語が上手ですね。
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コメント
YASU47さん、こんばんは。
再度のTBありがとうございます。
ネトレプコに関しては、私ももう1本追加する予定です。
そこでもう少し掘り下げられれば、と思っています。
とりあえず、TB返しさせていただきます。
投稿: Orfeo | 2006年1月13日 (金) 22時23分
Orfeoさん、
コメントありがとうございます。Orfeoさんの続編を楽しみにしています。
投稿: YASU47 | 2006年1月14日 (土) 21時37分
YASU47さん、こんばんは。
TBを、ありがとうございます。
ザルツブルクの《椿姫》は、本当に賛否両論のようですね。
色々な方の感想を知ることができるのもネットの面白さですね。
それから、DVDの《The woman the voice》、私は未視聴なのですが、これも素晴らしそうですね。チャンスがあったら見てみたいです。
投稿: snow_drop | 2006年1月14日 (土) 23時20分
snow dropさん、
コメントをありがとうございます。《The woman the voice》はネトレプコのプロモーションビデオというだけでなく、クラシック界そのもののPVのような気がします(とても断片的ではあるけれど)。3月末にはメトで「ドン・パスクワーレ」に登場とのことですが、コメディアンヌとしての彼女も是非見てみたいものです。
投稿: YASU47 | 2006年1月15日 (日) 10時05分